米国の債券市場(2015年10月) 利上げ先送りで国債利回りは安定した推移【デイリー】
2015年10月14日
【ポイント1】9月の国債利回りは低下
利上げ見送りを好感
■9月前半の米国10年債は、連邦公開市場委員会(FOMC)を前に利上げへの警戒などから売られ、利回りは一時2.3%近くまで上昇しました。
■しかし、16日~17日のFOMCで利上げが見送られたことにより、月末にかけて買い戻しの動きが強まりました。月末の利回りは2.04%(前月末比0.18%ポイント低下)でした。

【ポイント2】社債スプレッドは小幅縮小
日米短期金利差は縮小
■米社債スプレッド(国債との利回り格差)は、小幅に縮小しました。FOMCで利上げが見送られたことから、リスク回避の動きが後退し、社債利回りが国債利回り以上に低下したためです。
■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利(LIBOR)で見ると、日米金利差は9月中旬まで拡大しましたが、FOMC以降は米国の金利が急速に低下したため、前月との比較では縮小となりました。

【今後の展開】利上げ先送りにより国債利回りは安定した推移へ
■9月のISM製造業景況感指数は、好不況の分岐点となる50近辺にとどまりました。同月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比14.2万人の増加となり、市場の事前予想を下回りました。
■これらを受け、年内利上げの見通しは大きく後退しました。仮に利上げが開始されても、物価の安定等から、そのペースは緩やかなものになる可能性が高く、国債利回りは安定した推移が予想されます。