米国の金融政策(2015年9月) 海外情勢への懸念から利上げを見送り【デイリー】
2015年9月18日
【ポイント1】海外情勢が不安定化
国内景気の評価は上方修正
■9月16日~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、事前の予想通り現行の低金利政策の維持が決定されました。
■声明文では、「世界経済および金融情勢が経済活動を幾分抑制し、短期的にインフレを一段と抑制する要因になりうる」との懸念が示されました。
■一方、国内景気に対する評価は前回と同様、「緩やかに拡大」でした。ただ、設備投資の評価が上方修正されていることなどを踏まえると、より前向きになったと考えられます。

【ポイント2】政策金利見通しは下方修正
失業率、物価上昇率も下方修正
■四半期経済予測では、2015年の成長率見通しが上方修正される一方、16年が下方修正されました。失業率と物価上昇率は15年、16年ともに概ね下方修正されました。
■政策金利の見通しについては、両年とも下方修正されましたが、大半のメンバーは年内の利上げ開始を予想しています。

【今後の展開】利上げ後ズレの可能性も
■据え置きを決定したにもかかわらず、近い将来の利上げを示唆するようなコメントは見られませんでした。さらに、金利見通しでも、15年、16年にマイナス金利を予想するメンバーが1人いました。これらの点を総合すると、ハト派的な内容だったといえます。
■年内に利上げを開始すると予想されますが、後ズレする可能性もあると考えられます。