米金融政策は現状維持、利上げに向け一歩前進【デイリー】
2015年7月30日
【ポイント1】景気・物価判断は据え置き
労働市場の判断が一歩前進
■7月28日~29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で現行の低金利政策の維持が決定されました。
■声明文における全体的な景気の評価は前回と同様、「緩やかに拡大」でした。物価も、「足元のインフレ指標は依然低水準である一方、中長期的なインフレ期待は引き続き安定」が据え置かれました。
■ただし、労働市場の判断については、「労働資源の未稼働部分は縮小した」とし、前回の「幾分縮小した」から前進しました。

【ポイント2】フォワードガイダンスを維持
労働市場の「もう少しの改善」に注目
■金融政策の先行きを示すフォワードガイダンスについては前回と同様、「労働市場がさらに改善し、物価上昇率が中期的に2%の目標に戻っていくと合理的に確信(reasonably confident)した場合は、フェデラルファンド(FF)金利の目標レンジの引き上げが適切になる」という文言が維持されました。
■声明文では、利上げに踏み切るには、労働市場の「もう少しの改善」が必要としており、前回の「さらなる改善」から一歩進んだ形です。利上げに向けた地ならしが着実に進んでいると考えられます。

【今後の展開】利上げが開始されても、その速度は緩やかなものになる見通し
■今後、発表される7月、8月の雇用統計が「もう少しの改善」を示せば、9月16~17日に開催されるFOMCで利上げが決定される可能性があります。
■ただし、インフレ率がFRBの目標である2%を下回っている状況を踏まえると、利上げが開始されたとしても、利上げの速度は緩やかなものとなる見通しです。