最近の指標から見る米国経済(2015年7月) 生産、雇用、消費の好循環を維持【デイリー】
2015年7月22日
【ポイント1】雇用者数は22.3万人増
失業率は5.3%に低下
■6月の非農業部門雇用者数は前月比22.3万人の増加となりました。市場予想(ブルームバーグ集計)の同23.3万人増をやや下回りましたが、月平均20万人超の雇用増加ペースを維持しました。
■6月の失業率は5.3%と、5月の5.5%から0.2%ポイント改善しました。他方、賃金上昇率は前年比2.0%と引き続き伸び悩みましたが、労働需給が改善しつつあるため、今年後半には増加の勢いを強めると予想されます。

【ポイント2】企業景況感は堅調
製造業、非製造業ともに上昇
■6月のISM製造業景況感指数は、総合指数が前月比0.7ポイント上昇の53.5ポイントとなりました。新規受注指数と在庫指数の差が拡大基調を維持しており、在庫を上回るペースで需要が伸びていることを示しています。
■一方、6月のISM非製造業景況感指数は、総合指数が前月比0.3ポイント上昇の56.0ポイントとなりました。事業活動指数、売上高の動向を示唆する新規受注指数が60前後の高い水準にあり、非製造業の活動が力強く拡大していることを示しています。

【今後の展開】景気は順調に拡大、年後半には利上げ開始の見通し
■6月の小売売上高は前月比0.3%減となりましたが、5月に大幅に伸びた反動と考えられます。
■雇用・所得の順調な拡大を背景に、消費は今後、持ち直す可能性が高く、年後半の米経済は実質3%程度の成長が見込まれます。
■景気の改善を受け、年後半に利上げが開始されると見られます。
■ただし、物価が落ち着いていることなどから、利上げのペースは緩やかなものに止まると予想されます。