米国のISM景況感指数(2015年6月) 製造業、非製造業が揃って上昇【デイリー】
2015年7月8日
【ポイント1】製造業は2ヵ月連続の上昇
在庫循環は上昇局面
■6月のISM製造業景況感指数は、総合指数が53.5ポイントとなり、前月の52.8ポイントから0.7ポイントの上昇となりました。総合指数を構成する5指標のうち、新規受注、雇用、在庫の3指標が前月から上昇し、生産、入荷遅延の2指標が低下しました。
■新規受注指数と在庫指数の差をとると、5月の4.3ポイントから3.0ポイントへと縮小しました。ただトレンドとしては拡大を維持しています。在庫を上回るペースで需要が伸びていること、つまり在庫循環の上昇局面にあることを示しています。

【ポイント2】非製造業は反発
企業活動が力強く拡大
■6月のISM非製造業景況感指数は、総合指数が56.0ポイントとなり、前月の55.7ポイントから0.3ポイント上昇しました。
■内訳を見ると、指数を構成する事業活動、新規受注、入荷遅延、雇用のうち、雇用を除く3指数が前月から改善しました。売上高の動向を示唆する事業活動指数、新規受注指数は60前後の高い水準にあります。非製造業の活動は力強く拡大していると見られます。
【今後の展開】実質3%程度の経済成長を示唆
■ISMの製造業と非製造業指数を合成した指数は米国経済の活動状況を表していると考えられます。そこで総合指数を合成すると、6月は55.6となりました。5月の55.2とほぼ同じ水準であり、米経済が実質3%程度のペースで成長していることを示唆しています。
■米経済は年初こそ西海岸の港湾ストや悪天候の影響で低迷しましたが、その影響が一巡した春頃から立ち直ってきました。生産増が雇用・所得の増加を通じて生産のさらなる拡大を促すという好循環が復活してきたためです。年後半も引き続き順調な成長が見込まれます。