ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る米国経済(2015年6月)  生産、雇用、所得、消費の好循環を維持【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る米国経済(2015年6月)  生産、雇用、所得、消費の好循環を維持【デイリー】

2015年6月26日

【ポイント1】消費はV字回復

雇用・所得環境が引き続き改善
■5月の実質個人消費支出は、前月比0.6%の増加と高い伸びになりました。自動車のみならず衣料や娯楽品などの販売も順調に増加しています。米国の個人消費は4月にやや伸び悩んだものの、3月から5月までを平均すると、天候要因による年末年始の不調からV字型の回復を遂げています。

■5月の非農業部門雇用者数は前月比28.0万人の増加、賃金は同0.3%の増加と、ともに市場の事前予想を上回りました。米国の雇用は月平均20万人を超える増加ペースを維持しており、これが個人消費の拡大を支えています。

【ポイント2】企業景況感は堅調

製造業が上昇、非製造業は反落
■5月のISM景況感指数は、製造業が前月比1.3ポイント上昇の52.8でした。内容も良好で、総合指数を構成する5指標のうち、新規受注、雇用、入荷遅延、在庫の4指標が前月から上昇し、生産指数のみ低下しました。

■一方、非製造業は55.7でした。前月比2.1ポイントの低下でしたが、拡大・縮小の分岐点となる50を上回っています。

【今後の展開】GDP成長率は年後半にかけて緩やかに加速、利上げペースは緩やか

■消費統計や雇用統計、ISM指数は、生産の拡大が雇用、所得、消費の増加を促し、それが生産のさらなる拡大をもたらすという好循環が維持されていることを示す内容でした。1-3月期の景気減速は一時的なものだった可能性が高く、年後半は徐々に回復の速度を上げていくと予想されます。

■5月の雇用統計の上振れを受けて、市場参加者の間では、 9月16日~17日開催のFOMCで利上げが決定されるとの見方が優勢になっています。 FOMCメンバーの金利予測から判断する限り、仮に利上げが始まったとしても、利上げの速度は緩やかなものとなる見通しです。

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