ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の雇用統計(2015年4月)  雇用者数の増加幅は前月から拡大【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の雇用統計(2015年4月)  雇用者数の増加幅は前月から拡大【デイリー】

2015年5月11日

【ポイント1】雇用者数は22.3万人増

3月の雇用者数は下方修正
■4月の非農業部門雇用者数は前月比22.3万人の増加となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同22.8万人増をやや下回る結果となりました。しかしながら3月の同8.5万人増(速報値は同12.6万人増)から大幅に拡大し、ひとまず雇用の復調が確認されました。

■一方、4月の失業率は5.4%と3月から0.1ポイント改善し、労働参加率も3月の62.7%から62.8%に上昇しました。

【ポイント2】生産部門の雇用が回復

賃金の前年比伸びは小幅改善
■4月の非農業部門雇用者数のうち民間部門は前月比21.3万人の増加となり、内訳は生産部門が同3.1万人増、サービス部門が同18.2万人増でした。生産部門は建設部門の雇用増などにより3月の同2.1万人減から大きく回復しました。

■時間あたり賃金は前月比+0.1%と、前月の同+0.2%(速報値は同+0.3%)から伸びが縮小しました。ただ前年比では+2.2%と、前月の同+2.1%から小幅に改善しましたが、依然として金融危機前の3%を超えていた水準に回復しておらず、賃金面からのインフレ圧力は限定的となっています。

【今後の展開】金融市場は雇用や物価関連の指標に左右されやすい展開を予想

■前月に雇用の伸びが鈍化したのは、悪天候など一時的な要因によるものとみられていましたが、今回の結果で労働市場の回復基調は損なわれていないことが確認できました。ただ力強さには欠ける内容であったため、早期利上げへの警戒感が後退し、米国の金融市場は長期金利低下、株高で反応しています。

■米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げの条件として、雇用の更なる改善と物価上昇の合理的な確信を挙げています。6月16日~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までにこの条件が満たされることは難しいと思われますが、金融市場は利上げ時期をにらみ、雇用や物価関連の指標に左右されやすい展開が引き続き予想されます。

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