米国のISM景況感指数(2015年4月) 製造業は横ばい、非製造業は上昇【デイリー】
2015年5月7日
【ポイント1】製造業は前月から横ばい
在庫調整の動きはほぼ終了
■4月のISM製造業景況感指数は、総合指数が51.5ポイントと市場予想の52.0ポイントを下回り、2013年5月以来の低水準となった前月から横ばいとなりました。総合指数を構成する5指標のうち、新規受注と生産が前月から上昇し、雇用、入荷遅延、在庫は前月から低下しました。
■新規受注は前月から上昇に転じ、4カ月ぶりの高水準となる53.5ポイントまで回復しました。また生産は2カ月連続で上昇し、在庫も2カ月連続で低下するなど、在庫調整の動きはほぼ終了したと思われます。

【ポイント2】非製造業は上昇
企業活動が急拡大
■4月のISM非製造業景況感指数は、総合指数が57.8ポイントと市場予想の56.2ポイントおよび前月の56.5ポイントをともに上回り、5カ月ぶりの高水準となりました。
■内訳を見ると、企業活動が61.6ポイントと前月の57.5ポイントから急上昇し、こちらも5カ月ぶりの高水準となったほか、新規受注と雇用も上昇し、入荷遅延が低下する一方、在庫はやや上昇という結果になりました。

【今後の展開】雇用はやや懸念も、労働市場の回復基調が損なわれる可能性は低い
■製造業における西海岸の物流遅延の影響は、アンケートで一部指摘が残るものの、輸出が51.5ポイントと前月の47.5ポイントから大きく上昇しており、すでに懸念材料ではなくなりつつあります。
■一方雇用については、製造業で48.3と2009年9月以来の低水準となったことや、非製造業でも小幅な改善にとどまっていることがやや懸念されます。
■しかしながら製造業の在庫調整がほぼ終了し、非製造業の企業活動が拡大していることを踏まえれば、雇用だけがこの先悪化傾向を辿るとは考え難く、労働市場の回復基調が損なわれる可能性は低いと思われます。