米国の金融政策(2015年4月) FOMC声明の景気判断は下方修正【デイリー】
2015年4月30日
【ポイント1】景気判断は下方修正
物価判断は据え置き
■4月28日~29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で低金利政策の維持が決定されました。
■4月29日発表の1-3月期実質GDP成長率は前期比年率+0.2%(予想は同+1.0%)にとどまり、FOMC声明では、一過性の要因を一部反映し、冬季に経済成長が減速したとして、景気判断が下方修正されました。物価については、足元のインフレ指標は依然低水準である一方、中長期的なインフレ期待は引き続き安定しているとの判断で据え置かれました。
【ポイント2】フォワードガイダンスは維持
ただし利上げを急ぐ状況ではない
■なお金融政策の先行きを示すフォワードガイダンスについては前回と同様、「労働市場がさらに改善し、物価上昇率が中期的に2%の目標に戻っていくと合理的に確信(reasonably confident)した場合は、フェデラルファンド(FF)金利の目標レンジの引き上げが適切になる」という文言が維持されました。
■しかしながら現在、労働市場では失業率の低下は続いているものの、時間あたり賃金は伸び悩んでいます。また個人消費支出(PCE)物価指数のうち食品とエネルギーを除くコア指数も低位安定推移が続いており、利上げを急ぐ状況にはありません。
【今後の展開】金融市場は経済指標に一段と神経質な反応を示す展開を予想
■先行きの景気回復度合いを見極める上で、今後の経済指標に一段と注目が集まっています。そのため金融市場は利上げ時期をにらみ、経済指標に対して一段と神経質な反応を示す展開が予想されます。
■今回のFOMCの結果を受けて市場参加者の間では、利上げは次回6月16日~17日のFOMCで決定される可能性は低く、9月16日~17日開催のFOMCで判断されるのではないかとの見方が優勢となっています。