最近の指標から見る米国経済(2015年4月) 年後半にかけて年率3%近くの成長へ【デイリー】
2015年4月14日
【ポイント1】企業景況感は非製造業が堅調
製造業は、米ドル高が影響し低下
■3月のISM製造業景況感指数は、総合指数が51.5ポイントと5カ月連続で低下したものの、好悪の判断の境目となる50を27カ月連続して上回りました。3月のISM非製造業景況感指数は、総合指数が56.5ポイントと高水準を維持しました。
■内訳を見ると、製造業では新規受注や輸出が低下しており、米ドル高の影響などから、製造業の活動が鈍化していることを示しています。一方、非製造業では雇用や新規受注が高水準を維持しています。景気は消費を中心に底堅さが持続していると見られます。
【ポイント2】雇用は予想を下回る
失業率は横ばい
■非農業部門雇用者数は前月比12.6万人増と市場予想(ブルームバーグ集計)の同24.5万人増を下回りました。寒波などの天候要因や西海岸での港湾ストなどの一時的な要因の影響が大きく、雇用の改善傾向は持続していると見られます。
■3月の失業率は5.5%と前月から横ばいで、賃金上昇率は前年同月比+2.1%と2%を挟んで概ね横ばい圏で推移しています。
【今後の展開】GDP成長率は年後半にかけて緩やかに加速、利上げペースは緩やか
■製造業は米ドル高などの影響から足元勢いを欠くものの、雇用の改善やガソリン安の恩恵を受ける家計の購買力向上から、消費は底堅い見込みです。GDP成長率は年後半にかけて年率3%近くが見込まれます。物価上昇率については、物価見通しに影響する賃金の上昇に市場は注目しています。
■3月のFOMCの議事要旨では、利上げ開始後のペースが緩やかとなると大半の委員が見ています。FRBは雇用や物価の動向を引き続き注視すると見られますが、物価の上昇が緩やかであることから、利上げペースは緩やかなものにとどまると見込まれます。