ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の債券市場(2015年4月)  早期利上げ観測の後退から、国債利回りは小幅に低下【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の債券市場(2015年4月)  早期利上げ観測の後退から、国債利回りは小幅に低下【デイリー】

2015年4月10日

【ポイント1】米国債利回りは低下

FRBが景気と物価見通しを下方修正
■米国債利回りは、3月中旬以降、低下基調です。最近発表された経済指標が弱く、早期利上げ観測が後退していることがその背景です。

■FRBは3月17日~18日のFOMC後に新たな経済見通しを公表し、GDP成長率と物価見通しを下方修正しました。声明文では、利上げ開始まで「忍耐強くなれる」との文言が削除されましたが、利上げ開始は経済状況次第と強調され、その後の利上げペースは緩やかになるとされたことが、国債利回りの低下に影響しました。

■欧州では、ECBによる国債購入が始まったことから、ドイツ国債の利回りが低下したことも、米国債利回りの低下に影響しました。

【ポイント2】社債スプレッドは横ばい圏

日米短期金利差は緩やかな拡大傾向
■社債スプレッド(国債との利回り差)は、3月中旬以降はほぼ横ばい圏で推移しました。

■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利(LIBOR)でみると、利上げ観測から米国の短期金利は上昇傾向の一方、日本の金利は低位で推移したため、日米金利差は若干拡大しました。

【今後の展開】低金利環境は当面継続、債券利回りの上昇は緩やか

■雇用の改善とガソリン安の恩恵などから個人消費は底堅いと見られます。GDP成長率は今年後半にかけて年率+3%近くが見込まれます。

■金融政策は、今年後半の利上げ開始が見込まれ、債券利回りには上昇圧力がかかりやすいと見られます。ただし、緩やかな物価上昇から、利上げペースはゆっくりとしたものにとどまり、低金利環境は当面継続すると見込まれます。

■社債スプレッドは、主要米国企業の底堅い業績や慎重な財務運営、社債の相対的な高利回りなどから、今後も安定的に推移すると見込まれます。

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