ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の雇用統計(2015年3月)  雇用者数は予想を下回る伸びに【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の雇用統計(2015年3月)  雇用者数は予想を下回る伸びに【デイリー】

2015年4月6日

【ポイント1】雇用者数は12.6万人増

2月と1月ともに下方修正
■3月の非農業部門雇用者数は前月比12.6万人の増加となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同24.5万人増を下回る結果となりました。また同時に2月分は同29.5万人増から26.4万人増へ、1月分は同23.9万人増から20.1万人増へ、それぞれ下方修正されました。

■一方、3月の失業率は2月と同じ5.5%でしたが、労働参加率は2月の62.8%から62.7%に低下し、1978年以来の低水準に並びました。

【ポイント2】サービス部門は堅調

賃金の伸びは小幅改善
■3月の非農業部門雇用者のうち民間部門は前月比12.9万人の増加となり、内訳は生産部門が同1.3万人減、サービス部門が同14.2万人増でした。全体の雇用者増加数は2月までの過去1年間、前月比で20万人を超えており、雇用の回復基調は損なわれていないと思われます。

■時間あたり賃金は前月比0.3%上昇と、前月の同0.1%上昇から伸びが拡大しました。また前年比でも2.1%上昇と、前月の同2.0%上昇から小幅に改善しましたが、依然として金融危機前の3%を超えていた水準に回復しておらず、賃金面からのインフレ圧力は限定的となっています。

【今後の展開】4月28日~29日のFOMCに注目

■米国では3日が聖金曜日の祝日のため債券市場は短縮取引、株式市場は休場でした。予想を下回る雇用統計の結果を受け、市場参加者の間では利上げは早ければ6月にも行われるとの見方が大きく後退し、米国債の利回りは低下(価格は上昇)し、米ドルは主要通貨に対しほぼ全面安となりました。

■雇用統計は月毎の振れの大きい統計であり、今回の結果に過度な悲観は必要ないと考えられます。4月28日~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されますので、声明で景気やインフレについてどのような判断が示されるか注目されます。金融市場は引き続き利上げ時期を巡る思惑に左右される展開が予想されます。

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