ホームマーケット日々のマーケットレポート米経済指標を受け長期金利が低下  予想を下回る内容に早期利上げ観測が後退【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米経済指標を受け長期金利が低下  予想を下回る内容に早期利上げ観測が後退【デイリー】

2015年4月2日

【ポイント1】米企業景況感の低下が続く

複数の悪材料が生産活動に影響
■2015年3月のISM製造業景況感指数は、総合指数が51.5ポイントと5カ月連続で低下しました。総合指数を構成する5指標のうち、新規受注、雇用、入荷遅延、在庫が前月から低下し、生産は前月から上昇しました。

■低調な指標の理由として米ドル高や原油安が関連産業に悪影響を及ぼしたことや、2月の寒波や西海岸の港湾労使交渉難航による物流遅延の影響が依然残っていたことなどが考えられます。

【ポイント2】雇用は増加幅が縮小

製造業は前月比で減少
■米民間雇用サービス会社ADPが発表した3月の全米雇用リポートでは、非農業部門雇用者数(政府部門を除く)が前月比18.9万人増となりました。2月の21.4万人増から縮小し、市場予想(ブルームバーグ集計)の22.5万人増も下回りました。

■製造業は前月比0.1万人減と、2014年1月以来初めての減少となりました。建設業は同1.7万人増と前月の2.8万人増から伸びが鈍化しました。こちらも米ドル高や原油安の影響が考えられます。

【今後の展開】長期金利低下と米ドル安は結果的に経済と株価を支える要因に

■ISM製造業景況感指数とADP雇用統計の低調な結果を受けて、4月1日の米国市場では株安と債券高(利回り低下)が進行し、米ドルは日本円やユーロに対し下落しました。

■生産活動の低迷が続き、雇用の伸びに勢いがみられなかったことから、市場参加者の間では米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを急がないとの見方が強まっています。

■天候や港湾機能低下の影響はこの先次第に後退し、製造業の生産調整は一時的と思われます。原油相場には引き続き注意が必要ですが、雇用の回復基調は続いていると見られます。昨日のように早期利上げ観測の後退で、米長期金利が低下し米ドル安となれば、結果的にこれらが経済全体を支える要因となるため、米国株が大きく値を崩す展開にはなりにくいと思われます。

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