ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の雇用統計(2015年2月)  雇用者数は予想を上回る伸びに【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の雇用統計(2015年2月)  雇用者数は予想を上回る伸びに【デイリー】

2015年3月9日

【ポイント1】雇用者数は29.5万人増

1月は下方修正、昨年12月は不変
■2月の非農業部門雇用者数は前月比29.5万人の増加となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同23.5万人増を上回る結果となりました。また同時に1月分は同25.7万人増から23.9万人増へ下方修正されましたが、昨年12月分は32.9万人増で従来の数字と変わりませんでした。

■一方、2月の失業率は5.5%と前月から0.2ポイント低下し、リーマンショック前の2008年5月(5.4%)の水準に近づきました。

【ポイント2】サービス部門が堅調

賃金は依然伸び悩み
■2月の非農業部門雇用者のうち民間部門は前月比28.8万人の増加となり、内訳は生産部門が同2.9万人増、サービス部門が同25.9万人増でした。特にサービス部門では、小売(同3.2万人増)、交通・倉庫(同1.9万人増)、専門・ビジネスサービス(同5.1万人増)など幅広い業種で雇用の持ち直しがみられます。

■時間あたり賃金は前月比0.1%上昇と、前月の同0.5%上昇から伸びが鈍化しました。また前年比でも2.0%上昇と、前月の2.2%上昇から低下しており、依然として金融危機前の3%を超えていた水準に回復していません。

【今後の展開】3月17日、18日のFOMCに注目

■雇用者数が前月比で20万人増を超えるのは2月で12カ月連続となり、雇用は順調に回復していると思われます。また生産年齢人口に占める働く意思を持つ労働力人口の割合(労働参加率)は62.8%と前月の62.9%から小幅低下し、これが今回の失業率の低下に影響したとの見方があります。

■米連邦準備制度理事会(FRB)は3月17日、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期などの議論を行う見通しです。金融政策の方向性を示すフォワード・ガイダンスの修正の有無や、イエレンFRB議長の発言が注目されますが、特に賃金と物価についての解釈が利上げ開始時期を見極める上での焦点とみられます。

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