米国の金融政策(2015年1月) 利上げ開始まで「忍耐強く」を維持【デイリー】
2015年1月29日
【ポイント1】低金利政策、時間軸とも変更なし
国債などへの再投資も継続
■FRBは1月27日~28日のFOMCで、現行の低金利政策の維持を決定しました。また、満期を迎えた国債などへの再投資により、FRBの資産規模を維持する方針も据え置きました。
■前回12月の声明文で示された、利上げまで「忍耐強く」なれるというフォワードガイダンス(時間軸政策)についても維持されました。前回残された「相当な期間」低金利を維持するとの文言は、今回削除されました。

【ポイント2】物価見通しも変更なし
景気の現状判断は上方修正
■今回の声明文では、景気の現状判断が「緩やかなペース」から「しっかりとしたペース」に上方修正されました。原油安による家計の購買力向上にも言及されました。ただし、今後の景気見通しは、緩和的な金融政策のもとで「緩やかに拡大する」という従来の見通しを据え置いています。
■物価については、短期的には上昇率が低下するものの「雇用がさらに改善し、原油安などの影響が薄れるにつれ中期的には+2%に向けて上昇する」との見通しを維持しています。
■また、低金利政策の維持を判断する諸条件として、従来の雇用、物価、金融環境に「国際情勢」が追加されました。政策変更の判断にあたって、海外の景気や金融政策に関連しドル高が進行するリスクや地政学的リスクにも目配せをしていくものと見られます。

【今後の展開】2015年後半の利上げ開始にむけ、フォワードガイダンスの変化に注目
■雇用は着実に改善傾向にある一方、物価上昇は緩慢なままで、FRBの目標+2%への到達が後ずれしそうです。物価の状況次第では、利上げ開始が遅れることも予想されます。
■2004年の利上げ開始の前には、フォワードガイダンスが、「忍耐強く」から「慎重に」に変わりました。今回も同様の文言が使用されており、「慎重に」に変更されるタイミングに注目が集まります。