ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の雇用統計(2014年11月)  非農業部門雇用者数は約3年振りの大幅増【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の雇用統計(2014年11月)  非農業部門雇用者数は約3年振りの大幅増【デイリー】

2014年12月8日

【ポイント1】雇用者数は32.1万人増

2012年1月以来の増加幅
■11月の非農業部門雇用者数は前月比32.1万人の増加となりました。市場予想(ブルームバーグ集計)の同23.0万人を大幅に上回り、2012年1月(同36.0万人)以来の増加幅となりました。加えて、9月、10月分は合計4.4万人上方修正されました。失業率は5.8%と前月と同水準でした。

【ポイント2】小売業などで堅調な増加

雇用の「質」の改善も進む
■非農業部門雇用者数増加のうち、民間部門は31.4万人の増加となりました。これを業種別に見ると、年末商戦向けの臨時雇用が増加したと見られる小売業や、ビジネスサービスにおいて前月を上回る増加となりました。このほか、レジャー・娯楽業などを除く幅広い業種で増加しました。

■11月は長期(27週以上)失業者や、パートタイマーの割合低下なども進み、雇用の「質」の改善が一段と進みました。また、平均賃金は前年同月比では+2.1%と安定した水準が続いていますが、前月比では+0.4%と2013年6月以来の高い伸びとなり、賃金が上向く兆しも見られます。

【今後の展開】今後も雇用環境の改善が進み、来年後半の利上げが見込まれる

■雇用者数は失業率の安定的な低下に必要とされる前月比+15~20万人を超える推移が続いているほか、11月のISM景況感指数は製造業・非製造業ともに高水準となったことなどから、今後も雇用環境の改善が見込まれます。

■雇用の「質」の改善も進んでいることから、市場では早期利上げ期待が高まっています。今月16日から17日のFOMCでは、低金利政策を「相当期間」維持するとの文言が削除されるのかなどが注目されます。ただし、「物価上昇率2%」の目標は、賃金の伸びが緩慢なことから達成が遅れ気味であり、今後も、雇用関連指標のほか物価動向などが幅広く点検され、2015年後半に利上げが行われると見込まれます。

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