ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る米国経済(2014年10月)  世界経済の減速が米国経済の下振れリスク【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る米国経済(2014年10月)  世界経済の減速が米国経済の下振れリスク【デイリー】

2014年10月22日

【ポイント1】失業率は約6年ぶり6%割れ

雇用者数の増加は20万人超
■9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比24.8万人の増加となりました。市場予想(ブルームバーグ集計)の同21.5万人を上回り、7月、8月分は合計6.9万人上方修正されました。また失業率は前月の6.1%から5.9%に改善し、2008年7月以来、約6年ぶりに6%を割り込みました。ただし、長期失業者(27週以上)の割合が増加し、時間当たり賃金の上昇率は前月比▲0.04%となり、1年2カ月振りにマイナスとなるなど、雇用の「質」の改善は一服しました。

【ポイント2】米国経済に下振れリスク

世界経済見通し下方修正から株安、米ドル安へ
■10月以降、IMFが世界経済見通しを下方修正し、FOMC議事録では欧州等世界経済の減速懸念が米国経済のリスクと指摘されたことなどから、NYダウは9月中旬の最高値17,279.74米ドルから16,000米ドル前半に下落しました。また米ドル円レートは10月1日の東京時間に一時1米ドル=110円台となりましたが、10月中旬には105円台前半まで米ドル安円高が進行しました。

【今後の展開】緩やかな景気拡大からさらに雇用の改善が見込まれ、QEは終了へ

■9月のISM景況感指数は製造業、非製造業ともに前月より低下しましたが、高水準を維持しています。ただし、世界経済の減速が米国経済の減速に影響することが懸念されます。

■FRBが雇用のほかに重視する物価動向を見ると、個人消費支出価格指数は徐々に上昇しているものの、FRBが目標とする2%に達していません。今後は労働需要の拡大に後押しされた賃金上昇が物価上昇につながると見込まれます。

■10月28日、29日に予定されるFOMCでは、9月の雇用統計の結果なども踏まえ、見込み通りQEが終了すると考えられます。世界経済の減速懸念などにより、市場の利上げ予想時期は後ずれしていますが、米国経済の緩やかな拡大は続くと見込まれることから、雇用の「質」の改善や物価上昇が十分となると見られる来年後半の利上げが見込まれます。

関連マーケットレポート