【デイリー No.1,883】米国のISM景況感指数(5月) ~景況感の改善が継続~
2014年6月5日
<ポイント>
・5月のISM景況感指数は製造業が55.4ポイント、非製造業が56.3ポイントと、ともに前月から上昇しました。
・製造業、非製造業ともに先行きを示す新規受注指数が上昇、企業活動は今後の堅調さを示唆しました。
・年後半には、米国景気は回復基調を強めると見込まれます。
1.製造業、非製造業ともに指数は連続して上昇
5月のISM製造業景況感指数は前月比+0.5ポイントの55.4ポイントと市場予想(ブルームバーグ集計)の55.5ポイントを若干下回りました。また、5月のISM非製造業景況感指数は同+1.1ポイントの56.3ポイントと、こちらは市場予想(同)の55.5ポイントを上回る好調な結果となりました。製造業は4カ月連続、非製造業は3カ月連続で指数が上昇しました。

2.経済活動は現状、先行きともに堅調
製造業指数の内訳をみると、足元の活動を示す生産指数は前月比+5.3ポイントの61.0ポイントと大幅に上昇しました。また生産活動の先行きを示す新規受注指数も同+1.8ポイントの56.9ポイントへ上昇しました。製造業の景況感は足元、先行きともに堅調です。調査への回答には、「需要は強く、供給が絞られて価格上昇がみられる」や「先行きについては楽観的」などの声がありました。
また非製造業指数の内訳をみると、企業活動指数は前月比+1.2ポイントの62.1ポイント、先行きの企業活動を示す新規受注指数は同+2.3ポイントの60.5ポイントとなりました。企業活動指数は2011年2月(63.3ポイント)、新規受注指数は2011年1月(61.2ポイント)以来の高水準です。回答には、「経済活動は安定的で期待通りの収益が上がっている」や、「売上げの増加とともに利益率が改善している」などの見方があり、新規受注指数の高さが示すように年後半以降への期待もみられました。
3.今後の見通し
先行きを示す新規受注指数が製造業、非製造業ともに上昇しており、企業活動は今後も堅調さを維持すると思われます。製造業、非製造業ともに経済活動は好調であるとみる向きが大勢です。年末年始の寒波の影響を脱して、製造業、非製造業ともにここ数カ月連続して指数は上昇しており、過去と比べ高水準に達しています。先行きについて楽観的にみられているものの、景況感はここから一段と改善するというより、足元の好調さが維持されると思われます。米国景気は、年後半以降、回復基調を強めると見込まれます。