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【デイリー No.1,861】米国のISM景況感指数(4月) ~製造業、非製造業ともに先行きは堅調~

2014年5月8日

<ポイント>
・ISM景況感指数は製造業が54.9ポイント、非製造業が55.2ポイントとともに市場予想を上回って上昇しました。
・製造業、非製造業ともに先行きを示す新規受注指数が上昇し、今後の企業活動の堅調さを示しています。
・海外の不透明要因に懸念もありますが、堅調な企業景況感などに支えられ、株価は底堅いと見込まれます。

1.製造業、非製造業ともに市場予想を上回り好調

 4月のISM製造業景況感指数は前月比+1.2ポイントの54.9ポイントと上昇しました。寒波の影響により、1月は同▲5.2ポイントと大幅に落ち込みましたが、2月から4月にかけて計3.6ポイント上昇しました。また、4月のISM非製造業景況感指数は同+2.1ポイントの55.2ポイントと、2カ月連続の上昇となりました。製造業指数、非製造業指数ともに市場予想(ブルームバーグ集計)を上回る好調な結果となりました。

2.非製造業の企業活動指数が顕著に上昇

 製造業指数の内訳をみると、足元の活動を示す生産指数や、生産活動の先行きを示す新規受注指数は、ともに前月からほぼ横ばいの水準となりましたが、中立水準の50ポイントを上回る堅調さを維持しています。一方、入荷遅延指数は前月比+1.9ポイントの55.9ポイントへ上昇し、今後の増産を示唆するものと考えられます。調査への回答には、景況感が良く、熟練者を中心として雇用がひっ迫している、などの声がありました。
 また、非製造業指数の内訳をみると、企業活動指数は前月比+7.5ポイントの60.9ポイント、先行きの企業活動を示す新規受注指数は同+4.8ポイントの58.2ポイントと、ともに大幅に上昇し、指数全体の上昇の主因となりました。一方、雇用指数は同▲2.3ポイントの51.3ポイントと低下しましたが、中立水準の50ポイント超を維持しています。回答には、ビジネス環境が改善していることや、客足や販売動向が寒波の影響から脱していることを好感する声が目立ちました。

3.今後の見通し

 先行きを示す新規受注指数は製造業、非製造業ともに上昇しており、今後の企業活動の堅調さを示しています。先行きへの企業の見方には、製造業、非製造業ともに楽観的な見方が多い中で、製造業の一部で中国の減速やロシアへの輸出減少を懸念する声がみられました。足元では、寒波の影響を受けた1-3月期の米国の主要企業の増益率の見込みは前年同期比+5%前後と、当初予想された同+1%台と比べて底堅い業績動向を示しています。ウクライナ情勢をはじめとして再び地政学的リスクの高まり、投資家のリスク回避姿勢の強まりから株価は大きく上下に振れていますが、こうした堅調な企業決算や企業景況感が米国株式市場の下支え要因となり、株価は次第に底堅く推移すると見込まれます。

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