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【デイリー No.1,857】米国の金融政策(4月) ~QE縮小を継続、資産購入額は450億米ドルへ減額~

2014年5月1日

<ポイント>
・FRBは、資産購入額の550億米ドルから450億米ドルへの減額と、ゼロ金利政策の継続を決定しました。
・寒波によって急減速した経済活動については、家計消費の増加などから持ち直していると判断しています。
・今秋のQE終了が見込まれ、その後はインフレ動向などにより当面はゼロ金利政策が維持される見込みです。

1.QEの縮小を継続

 FRBは4月29日~30日のFOMCにおいて、QEの縮小継続を決定しました。資産購入額は月額550億米ドルから450億米ドルへと減額されます。内訳は、長期国債が300億米ドルから250億米ドル、住宅ローン担保証券(MBS)が250億米ドルから200億米ドルとなります。QEの縮小継続とそのペースは市場の予想通りでした。また、政策金利を0~0.25%とするゼロ金利政策は維持されました。

2.寒波の影響を抜け、景気は持ち直し

 今回の声明文では、天候要因による急減速の後、足元では経済活動が持ち直しているとの景気判断が示されました。労働市場については、指標には強弱が混じるものの、改善がみられるとしています。このほか、家計消費が加速する一方、住宅投資の回復が緩やかであるなかで企業の投資がやや減速したと指摘しました。総じて、経済活動は緩やかなペースで拡大し、労働市場も徐々に改善すると見通しています。
 また、物価についてはFRBが長期目標とする2%を下回っているものの、長期的なインフレ期待は安定的とみています。

3.今後の見通し

 同日に発表された米国の2014年1-3月期の実質GDPは前期比年率+0.1%とプラスを維持したものの、前四半期の同+2.6%や市場予想の同+1.2%を下回る結果となりました。寒波による悪天候が影響し、設備投資や住宅投資が大きく落ち込みました。また財の輸出が大幅なマイナスに転じており、悪天候による生産の減少や、物流の停滞が影響したと考えられます。投資には企業減税終了前の駆け込みの反動や悪天候による影響が見られた一方、個人消費は同+3.0%と底堅い結果となっています。今回のGDPは市場予想を下回ったものの景気は引き続き堅調と見られ、FRBは今後も現状のペースでQEの縮小を継続し、今秋にはQEを終了すると思われます。FRBは、特にインフレがFRBの長期目標とする2%を下回る場合などにおいて、QE終了後も現在のゼロ金利政策を継続することが適当であるとの見方を据え置きました。QE終了後のゼロ金利政策解除の時期についてはインフレと労働市場の改善を幅広い指標から点検すると見られ、市場では2015年半ばから後半と見る向きが大勢となっています。今後は、イエレンFRB議長が指摘している、長期失業者の多さなど、労働市場のスラック(たるみ)の改善などに注目です。

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