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【デイリー No.1,843】日米の株式市場の動向と見通し

2014年4月11日

<ポイント>
・4月初め以降、日米の株価は雇用などの経済指標が改善傾向にあるにも関わらず、軟調な展開となっています。
・今後の企業業績に不透明感があるなか、米ハイテク株が下落したことなどが、下落のきっかけと見られます。
・株価は日米の景気や企業業績の回復期待などを背景に、緩やかな上昇基調に戻りそうです。

1.米国株は4月初め、最高値更新後に下落

 4月に入り、注目された米雇用統計などの指標は改善したものの、株価(以下、米国はNYダウ)はむしろ下落傾向となりました。第3週から1-3月期の企業決算の発表が本格化することも踏まえ、期待先行で買い進まれてきたハイテク株などが売られ、重石となりました。また、3月のイエレンFRB議長の発言を受け、利上げが市場の大方の予想(2015年秋頃)よりも早く、2015年前半に実施との観測も浮上しました。
 1-3月期の米主要企業500社の一株当たり利益は前年同期比+1.1%と予想(8日時点)され、昨年10-12月期の同+9.9%から急低下する見込みです。年後半には2桁の増益ペースへ戻ると予想されているものの、投資家は一旦は実際の業績発表を慎重に見極めたいものと思われます。

2.日本株も、米株安とドル安・円高につれて下落

 4月初め以降は、日経平均株価も下落しました。米株安とともに投資家のリスク回避姿勢が強まったほか、米国債利回りの低下とともにドル安・円高が進んだことなどが背景です。
 加えて、消費税増税による消費の落ち込みの影響が不透明なこと、日銀が強気な物価見通しを維持するなか追加緩和観測が一旦後退していることなどもあり、投資家としてもリスクを取るための手がかりに欠ける状況と見られます。

3.今後の見通し

 割高・割安の目安となる株価収益率(PER)を見ると、米国では、昨年前半と比べて若干水準が上昇しており、昨年のような強い上昇を期待する局面では無くなっています。
 一方、米国では2014年も潜在成長率を上回る2%台後半、2015年は3%台の良好な経済成長が見込まれ、雇用情勢や住宅市場の改善などは続く見込みです。また、FRB幹部らも4月に入ってからは利上げを急ぐ姿勢を見せておらず、高めの成長と低金利という、企業にとって良好な環境が今後もしばらく続く見込みです。こうしたなか、企業業績の回復への確信度が高まれば、株価は次第に緩やかな上昇基調に戻っていくものと見られます。
 日本株に関しては、企業業績の回復基調が続く一方、年初からの株価の下落により、PERから見るとアベノミクスの序盤とほぼ同程度の割安感が出てきました。今後は、日銀の追加緩和策や法人税減税など、海外投資家にもアピールする材料が出てくることが期待されます。また、日米の金融政策の方向性の違いは円高方向の動きを限定的なものとし、為替の面からの株価下押し圧力も和らいでくるものと思われます。

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