ホームマーケット日々のマーケットレポート【デイリー No.1,819】米国の雇用統計(2月) ~サービス業中心に雇用者の増勢が回復~/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【デイリー No.1,819】米国の雇用統計(2月) ~サービス業中心に雇用者の増勢が回復~

2014年3月10日

・2月の非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人と、寒波の影響の反動などで1月から増加幅が拡大しました。
・失業率は6.7%と小幅に上昇したものの、職探しをする人が増加し新たに失業者に加わったことが要因であり、今後は雇用者の増加が続くことで失業率の低下基調が再現すると見込まれます。
・雇用の改善もあり3月18日~19日のFOMCでフォワード・ガイダンスが変更される可能性が高いと思われます。

1.雇用者の増勢が回復

 2月の非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人と、1月の同+12.9万人(改定値)から増加幅が拡大し、市場予想の同+14.9万人を上回りました。サービス業を中心に民間部門の増加が全体の伸びをけん引しました。
 2月の失業率は6.7%と、1月の6.6%から小幅に上昇しました。ただし、職探しをする人が増加し新たに失業者に加わったことが要因であり、今後は雇用者の増加が続くことで失業率の低下基調が再現すると見込まれます。

2.サービス業を中心に雇用者が増加

 雇用者数増加の内訳を見ると、民間部門は前月比+16.2万人と、1月の同+14.5万人(改定値)から増加幅が拡大しました。また、政府部門は同+1.3万人と、増加に転じました。
 民間部門を業種別に見ると企業向けサービス業や教育・医療、余暇・娯楽などの雇用者数の増加幅が拡大しました。寒波の影響による減少の反動などがその背景と見られます。寒波の影響は、輸送業や小売業など一部業種に残るものの総じて和らぎ始めており、雇用者数は寒波の影響が強まる以前の増勢を回復しつつあると思われます。

3.今後の見通し

 非農業部門雇用者数が、12月、1月に前月比+10万人前後の増加幅に鈍化したことに関し、市場では天候以外の何らかの傾向を表しているのではないかという懸念が生じていました。しかし2月は、失業率の安定的な低下に必要とされる前月比+15万人~20万人の増加幅を回復しました。また雇用全体に先行すると見られる人材派遣業の雇用者数の増加幅も、2月に拡大しています。今後寒波の影響が更に和らぐに連れ、雇用の改善傾向は強まると思われます。こうしたことから、失業率は2月に上昇したものの、今後も低下基調が続くと見込まれます。
 イエレンFRB議長は2月上旬の議会証言で、12月、1月の雇用者数の鈍化に関して、3月のFOMCまでに発表される経済指標を時間をかけて検証することが重要と述べました。2月の雇用者数の増勢回復もあり、FRBはQE3の縮小を続けると見込まれます。同議長は、景気が予想通りに回復して行けばQE3の縮小は今年の秋頃に終了するとの認識を示しています。ただし同議長は、雇用の回復はまだ完全ではないとも指摘し、緩和的な金融政策が適切であるとしたことから、ゼロ金利政策は当面続けると見込まれます。また失業率の低下傾向もあり、FRBは政策金利変更の当初の目安である6.5%の失業率水準を含むフォワード・ガイダンスを、3月18日~19日のFOMCで変更する可能性が高いと思われます。

関連マーケットレポート