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【デイリー No.1,796】米国の雇用統計(1月) ~雇用増は鈍化、市場は失業率低下など評価~

2014年2月10日

<ポイント>
・1月の非農業部門雇用者数は前月比+11.3万人と、市場予想の同+18.0万人を下回りました。
・昨年末からの悪天候や、昨年後半の急回復の反動など、一時的な要因によるものと見られます。
・目先の金融政策への影響は限定的で、QE3を慎重なペースで縮小する方針などに変化は無いと見られます。

1.雇用者数の増加幅は2カ月連続で予想を大きく下回る

 1月の非農業部門雇用者数は前月比+11.3万人と、12月の同+7.5万人(改定値)は上回ったものの、市場予想の同+18.0万人を下回りました。市場予想を大きく下回るのは、2カ月連続です。
 一方、1月の失業率は6.6%と、12月の6.7%から低下しました。内容を見ても、労働力人口の増加と就業者数の増加を伴った、質の良い失業率の低下です。市場は今回の発表を、総じて前向きに評価しました。

2.悪天候、急回復の反動などが雇用者数に影響か

 雇用者数の内訳を見ると、民間部門は前月比+14.2万人と、12月の同+8.9万人(改定値)から増加幅が拡大しました。市場予想は同18.5万人でした。また、政府部門は同▲2.9万人となり、雇用者の増加幅を押し下げました。
 雇用者数が予想を下回った背景には、悪天候に加え、昨年後半の回復ペースが速かったことの反動、小売業の雇用が10カ月ぶりに減少したこと(年末商戦の臨時雇用の影響がはく落した可能性)など、複数の要因が影響したと思われます。
 また、悪天候が最も影響しやすい労働時間を見ると前月比±0.0%でしたが、一方で平均時給は前月比+0.2%となりました。

3.今後の見通し

 1月は失業率が改善したことに加え、雇用者数の増加ペース鈍化に影響したと見られる要因は、いずれも今後解消に向かうと見られることなどから、雇用情勢はなお回復基調にあると見られます。目先ではFRBの金融政策への影響は限定的で、QE3を慎重なペースで縮小する方針などにも変化は無いと見られます。
 このところ、新興国通貨の下落や米国の製造業景況感指数の悪化を受け、市場では株価が下落し、国債利回りが低下、為替は円高・ドル安となりました。昨年末にかけて市場の見方やポジションが総じて楽観論に傾いていたことへの反動もあったと見られます。しかし、中期的には米国をはじめ世界的に景気が持ち直すと見込まれることや企業業績の改善期待があることには変わりありません。米国の株式市場は徐々に底堅い推移となりそうです。債券市場では、景気回復観測に伴って、先行きでは利回りに緩やかな上昇圧力がかかると見られます。為替市場では、今後は日米の金融政策の方向性の違いなどから円安・ドル高観測が徐々に強まるものと思われます。

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