ホームマーケット日々のマーケットレポート【デイリー No.1,789】米国のGDP成長率(2013年10-12月期) ~個人消費が堅調な伸び~/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【デイリー No.1,789】米国のGDP成長率(2013年10-12月期) ~個人消費が堅調な伸び~

2014年1月31日

<ポイント>
・10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.2%と、前期から低下したものの底堅さを維持しました。
・需要項目別では、住宅投資などが減少したものの、個人消費や輸出が大きく伸びるなど、内容は良好でした。
・雇用と消費の回復や財政要因による景気下押し圧力の一巡から、景気は底堅い回復が続くと思われます。

1.実質GDP成長率は底堅く推移

 10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.2%と、7-9月期の同+4.1%から低下したものの、個人消費や輸出がけん引し、米国経済の底堅い回復基調を示す結果となりました。

2.個人消費や輸出が堅調な伸び

 需要項目別に見ると、GDP全体の約7割を占める個人消費が前期比年率+3.3%と前期から伸びが加速しました。好調な年末商戦などを反映し、3年ぶりの高い伸びとなりました。実質GDP成長率への寄与度は2.3ポイントと、需要項目中で最大となりました。設備投資は同+3.8%と底堅く推移し、0.5ポイントの寄与度となりました。輸出は同+11.4%と大きく伸び、純輸出(輸出-輸入)の寄与度は1.3ポイントとなりました。中国や欧州の景気持ち直しなどが背景と見られます。
 一方、住宅投資は同▲9.8%とマイナスに転じ、寄与度は▲0.3ポイントとなりました。住宅ローン金利の上昇や住宅価格の上昇から、住宅需要が一旦鈍化したためと思われます。また政府支出も国防中心にマイナスに転じました。

3.今後の見通し

 10-12月期の実質GDP成長率は前期から低下したものの、前期に大きかった在庫投資の寄与度が低下し、GDPに占める比率の大きい個人消費の寄与度が上昇するなど、内容的には良好なものとなりました。雇用の改善基調は続いており、個人消費は今後も回復が続くと思われます。また2014年は、歳出の強制削減などの財政要因による景気下押し圧力も一巡すると見られます。米国景気は、目先は寒波の影響なども想定されるものの底堅い回復が続くと思われます。2014年の実質GDP成長率は2%台後半を中心に堅調に推移すると見込まれます。FRBは、1月29日にQE3縮小の継続を発表しましたが、足元の景気回復もあり、今後も縮小を継続すると思われます。ただし、30日に発表されたGDPのPCEデフレーターは前年同期比の上昇率が低下するなど、足元の物価上昇は緩慢です。FRBは緩慢な物価上昇を警戒していることから、QE3縮小は慎重なペースで行い、ゼロ金利政策を当面継続すると見込まれます。
 米国の株式市場は、足元ではアルゼンチンの通貨急落をきっかけに新興国市場が下落した影響を受けましたが、米国をはじめ世界的に景気が持ち直すと見込まれることや企業業績の改善期待などから、中期的には堅調な推移が見込まれます。債券市場では、景気回復に伴い利回りに上昇圧力がかかると見られます。為替市場は、足元でリスク回避姿勢の強まりなどから円高が進みましたが、日米の金融政策の方向性の違いなどから、中期的には円安・ドル高観測が続くと思われます。

関連マーケットレポート