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【デイリー No.1,781】米国の主要企業の業績動向と今後の見通し ~売上は予想を上回る~

2014年1月27日

<ポイント>
●主要企業の10-12月期の増益率は前年同期比+7.5%と、前期の同+6.0%から上昇する見込みです。
●事前予想に対しては利益が予想並みの一方売上は上振れており、最近の傾向と異なる動きも見られます。
●株式市場は、企業業績の回復がけん引する展開となる見通しですが、その実現には世界景気の回復が必要であり、今後も米国や中国などの主要国の政策・景気動向が焦点となりそうです。

1.前期を上回る増益率

 24日付のトムソン・ロイターのレポートによると、主要500社(発表済み122社実績とそれ以外の予想を含む)の10-12月期の増益率は、前年同期比+7.5%と前期の同+6.0%から上昇する見込みです。決算発表が本格化する直前(1月3日時点)の予想(同+7.6%)に概ね並ぶ水準となっています。2013年通年では、前年比+5.7%と、昨年夏ごろまでの同+8%前後の予想から大きく下方修正されています。
 10-12月期を業種別にみると、「金融」、「電気通信サービス」、「資本財・サービス」で二桁の増益率が見込まれており、全体をけん引しています。

2.売上は伸び悩み継続も、予想対比では上振れ

 24日付でブルームバーグが集計した10-12月期の売上の伸びの予想では、前年同期比+2.63%と月初の同+1.75%から上振れしています。これは、最近の傾向とは異なる動きです。これまでは、売上が伸び悩むなか経費削減や自社株買いなどにより一株あたり利益の増加を図り、売上が予想に達しなくても利益は予想を上回ることが多くありました。足元では、売上の伸びは依然として低い水準ながらも予想を上回っており、世界的な景気の回復に沿って売上の上振れが利益を加速させる形となるかどうか、今後の動きが注目されます。
 個別企業の決算では、情報技術大手のIBMがハードウエアなどの売上で苦戦し前年同月比で減収となった例や、外食大手マクドナルドで新興国の売上が伸び悩むなど、依然として売上低迷の傾向がうかがわれます。一方、情報技術大手マイクロソフトの企業向けビジネスの好調さやゼネラル・エレクトリックの航空機エンジンの売り上げ増などは、売上がけん引するパターンと思われます。世界的な景気の回復見通しを背景に、利益のけん引役がコストカットから売上増へと変化することが期待されます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

3.今後の見通し

 今後の増益率は上昇傾向が続き、今年後半には二桁増に回復する見通しです。2014年通年では、前年比+10.4%の増益が見込まれています(トムソン・ロイターの24日付集計)。世界的に景気が持ち直す見通しであることがその主な背景です。リスク要因として、FRBの金融緩和策縮小により市場金利が上昇することで企業の資金調達コストや投資マインドに影響することや、いくつかの新興国で混迷を深める政情不安が事業に影響を与える場合などに注意が必要です。
 株式市場は、企業業績の回復、特に売上の伸びがけん引する展開となる見通しですが、その実現には国内外の景気回復が必要であり、今後も米国や中国など主要国の政策・景気動向が焦点となりそうです。

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