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【デイリー No.1,767】米国のISM景況感指数(2013年12月) ~今後の生産活動の改善を示唆~

2014年1月7日

<ポイント>
・12月のISM製造業景況感指数は高水準を維持し、非製造業指数は一時的要因から低下しました。
・製造業では、新規受注指数が上昇した一方、在庫指数が低下し、生産活動の改善を示す内容となりました。
・今後の生産活動は、個人消費などの底堅い最終需要が寄与し、引き続き改善が続くと思われます。

1.製造業指数は高水準を維持し、市場予想を上回る

 12月のISM製造業景況感指数は57.0ポイントと、11月の57.3ポイントに続き高水準を維持し、市場予想(ブルームバーグ集計)の56.8ポイントを上回りました。
 12月のISM非製造業景況感指数は53.0ポイントと、11月の53.9ポイントから低下しました。12月は一部業種の景況感が悪化したことから、年末商戦の反動など一時的要因もあったと見られます。

2.製造業の新規受注指数は高水準が続く

 製造業指数の内訳を見ると、生産活動の先行きを示す新規受注指数が64.2ポイントと、11月の63.6ポイントから上昇しました。一方、在庫指数は47.0ポイントと、中立水準の50ポイントを下回りました。在庫過剰感の解消が進み、今後の生産活動が改善することを示す内容となりました。
 非製造業指数の内訳については、新規受注指数が49.4ポイントと、11月の56.4ポイントから大きく低下しました。業種別では運輸・倉庫業や卸売業の景況感が悪化していることから、新規受注指数の低下に関しては年末商戦の反動や天候の悪化といった一時的要因があったと思われます。また雇用指数は55.8ポイントと上昇しました。製造業の雇用指数も上昇しており、米国の雇用情勢が良好なことを示す結果となりました。

3.今後の見通し

 ISM景況感指数の雇用指数の上昇に見られるように、米国の雇用情勢は着実に改善しています。12月の消費者信頼感指数(米コンファレンス・ボード発表)が大きく上昇するなど足元の消費者心理は引き続き良好であり、個人消費などの最終需要が今後も生産活動の改善に寄与すると思われます。欧州や中国の景気持ち直しも米国の生産拡大への支援材料です。米国景気は、生産拡大や個人消費の改善が寄与し、底堅い回復が続くと思われます。金融政策については、今後もFRBは経済指標の改善を確認しながら慎重なペースでQE3の縮小を続けると見込まれます。
 米国の株式市場は、米国をはじめ世界的に景気が持ち直すと見込まれることや企業業績の改善期待に加え、QE3の縮小が慎重に進められるとの安心感から、堅調に推移すると思われます。債券市場では、景気の底堅い回復が見込まれることなどから、利回りに緩やかな上昇圧力がかかると見られます。為替市場では、FRBと日銀の金融政策の方向性が異なることなどから、引き続き円安・ドル高観測が続くと思われます。