ホームマーケット日々のマーケットレポートメキシコの金融政策(2016年9月) 政策金利を引き上げ:ペソの動向を注視/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

メキシコの金融政策(2016年9月)
政策金利を引き上げ:ペソの動向を注視 【デイリー】

2016年9月30日

【ポイント1】政策金利を0.5%引き上げ

今年3回目の利上げ

■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は29日、政策金利(翌日物銀行間レート)を0.50%引き上げ、4.75%とすることを発表しました。利上げは概ね市場予想の範囲内でした。

■中銀は、通貨安に歯止めをかけるため、今年2月に続き、6月にも0.50%の追加利上げを行いました。米大統領選が近づくにつれ、メキシコペソが安値を更新していることから、今年3回目の利上げに踏み切ったと見られます。

【ポイント2】通貨安警戒姿勢を継続

今後も利上げ継続の見込み

■中銀は声明文で、今回の利上げについて、①インフレ圧力を抑制し、インフレ期待を落ち着かせるのが狙いであること、②引き締め局面の開始を意味しない(景気を調整するものではない)ことを指摘しています。過去2回の利上げ時と同じトーンです。

■中銀は、今後もペソの動きや米国の金融政策を注視しながら、必要に応じて利上げを行うスタンスと見られます。

【今後の展開】ペソ相場は米大統領選の行方が焦点

■メキシコペソは29日、1米ドル=19.52ペソ、1ペソ=5.19円付近と、最安値圏で引けました(NY時間)。このところ他の新興国や産油国の通貨が強くなるなかで、ペソ安が続いており、これは政治的リスクのためと思われます。実際、トランプ氏が共和党大統領候補となることが確実になった後、ペソは一貫して下落しています。第1回米大統領候補討論会を受けた後も、クリントン候補とトランプ候補の支持率は僅差のままであり、当面は米大統領選の行方が焦点です。

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