ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見るブラジル経済(2015年1月)  物価抑制や財政再建で成長見通しは改善へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見るブラジル経済(2015年1月)  物価抑制や財政再建で成長見通しは改善へ【デイリー】

2015年1月28日

【ポイント1】生産と輸出は低迷

消費が下支え
■2014年11月の鉱工業生産指数は前年同月比▲5.8%と、同年3月以降9カ月連続のマイナスになりました。また、12月の輸出は同▲16.1%と、8月以降5カ月連続のマイナスになりました。利上げや、海外景気の減速による輸出の不振などから、生産は当面低迷が続くと思われます。

■11月の小売売上高は前年同月比+1.0%と、9月から3カ月連続のプラスになりました。利上げの影響などから足元で勢いを欠くものの、雇用情勢が良好で実質賃金は概ね安定して伸びており、消費は底堅く推移し、景気を支えそうです。

【ポイント2】物価高が当面続く見込み

レアル安や燃料税増税も今後影響
■2015年1月前半の消費者物価指数は、前年同月比+6.69%と、ブラジル中央銀行(以下、中銀)の物価目標(年+2.5%~+6.5%)の上限を超えました。内訳を見ると、食品の値上がりや、電力や公共交通の料金引き上げが目立ちました。

■足元で原油価格が下落していますが、ガソリンなどの小売価格は、財政再建に向けた燃料税の増税により下がりにくい見通しです。電力料金の更なる引き上げや、ブラジルレアル安による物価押し上げなども想定され、物価高が続きそうです。

【今後の展開】物価抑制や財政再建により、中長期的な経済成長見通しは改善へ

■物価の高止まりが当面続くと見られることから、市場では中銀が次回会合(3月3日~4日)以降も現在12.25%の政策金利をさらに引き上げるとの見方が大勢です。

■また、今月財務相に就任したレビ氏は、19日に財政再建に向けた増税案などを発表しました。これら中銀・政府の政策は、景気に対して短期的に抑制的に影響しそうです。

■一方、物価抑制や財政再建への取り組みは、国債利回りの低下につながると見られます。中長期的な経済成長見通しの改善にもつながり、レアルや株式市場を下支えすると期待されます。

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