メキシコの金融政策(2015年1月) 5会合連続で政策金利を据え置き【デイリー】
2015年1月30日
【ポイント1】過去最低の3.0%に据え置き
市場予想通りの決定
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は1月29日、政策金利(翌日物銀行間レート)を大方の予想通り、3.0%に据え置くことを決定しました。
■3.0%の政策金利の水準は過去最低水準であり、昨年6月の会合で3.5%から引き下げられて以降、5会合連続での据え置きとなりました。

【ポイント2】従来の物価予想を維持
通貨安への警戒を強める
■中銀は前回と同様に、物価上昇率が今年半ばに中銀の物価目標(年+3%、変動幅±1%)に近づき、年末には目標を若干下回るとの見方を示しました。
■1月前半の消費者物価上昇率は、前年の税率引き上げの影響が薄れたことなどから、前年同月比+3.08%と前月の同+4.08%から低下しました。
■物価上昇率の低下は中銀の想定よりやや速いと見られます。ただし、中銀はメキシコペソの下落による物価押し上げへの警戒を強めており、今回は政策金利の据え置きが適当と判断したと見られます。

【今後の展開】中銀は低金利政策を当面維持、通貨安には利上げで対処も
■中銀は、景気は緩やかな回復傾向が続くとの見方を維持しました。ただし、輸出や民間投資が堅調な一方、個人消費や政府支出の影響が弱く、景気には下振れリスクがあるとも指摘しました。中銀は政策金利を過去最低の現行水準に当面据え置き、景気を支える姿勢と思われます。
■米国では今年後半に利上げが開始されるとの見方が強まっており、金利差縮小により一段と米ドル高ペソ安が進む可能性があります。中銀は当面現行の金利水準を維持すると見られますが、通貨の安定を維持する必要性などから、利上げに転じる可能性もあります。