ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジルの金融政策(2015年1月)  3会合連続で政策金利を引き上げ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジルの金融政策(2015年1月)  3会合連続で政策金利を引き上げ【デイリー】

2015年1月22日

【ポイント1】利上げ幅は前回に続き0.50%

市場予想通りの決定
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は21日、政策金利を0.50%引き上げ、12.25%とすることを全会一致で決定したと発表しました。

■政策金利の引き上げは、10月の会合から3会合連続です。引き上げ幅は、市場の大方の予想通り、12月の前回会合に続き0.50%となりました。

【ポイント2】利上げを続ける見込み

物価上昇率の高止まりに対応
■消費者物価指数が中銀の物価目標(年+2.5%~+6.5%)の上限近辺で推移しており、レアル安の物価への影響も懸念されます。

■中銀が12月23日に発表したインフレレポートによると、物価見通しは2015年末に前年比+6.1%、2016年末に同+5.0%となっています。物価上昇率の低下は緩やかにとどまり、当面目標レンジの中心値(年+4.5%)を上回る見込みです。

■中銀は物価抑制に必要な手段を積極的にとる姿勢を示しており、次回会合(3月3日~4日)でも利上げを続けると見込まれます。

【今後の展開】財政再建や物価抑制などを通じ、中長期的な経済成長率向上へ

■ルセフ大統領は今年1月から2期目(任期4年)を迎え、財務相に市場で評価の高いレビ氏を任命しました。レビ財務相は、財政再建や物価抑制に積極的に取り組む姿勢であり、1月19日には増税を含む財政健全化策を発表しました。

■財政健全化策には、ガソリンなどに対する燃料税の引き上げが含まれており、物価が中銀予想通りに低下することは、難しくなったと見られます。

■中銀が物価抑制のため金融引き締めを続け、政府が財政再建に取り組むことから、景気は短期的に政策的な支援を欠き、低迷が続きそうです。

■一方、こうした政府・中銀の政策は、国債への信用を高め、利回りの低下につながります。また、中長期的な経済成長見通しの改善にもつながると期待され、レアルや株式市場の支援材料になると思われます。

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