ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見るブラジル経済(2014年12月)  物価抑制と財政再建により持続的成長へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見るブラジル経済(2014年12月)  物価抑制と財政再建により持続的成長へ【デイリー】

2014年12月24日

【ポイント1】消費が底堅く推移

輸出はレアル安効果などで持ち直しへ
■10月の小売売上高は、前年同月比+1.8%と、2カ月連続のプラスとなりました。実質賃金が概ね安定して伸びていることなどから、消費は今後も底堅く推移し、景気を下支えしそうです。

■10月の鉱工業生産指数は前年同月比▲3.6%と、3月以降8カ月連続のマイナスになりました。また、11月の輸出は同▲25.0%と大幅に減少しました。ただし、ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、世界経済の拡大、レアル安による輸出の持ち直しなどが、今後の景気回復を支えると見ています。

【ポイント2】物価高が続く見込み

2会合連続の利上げ
■消費者物価指数は、食品価格上昇などが影響し、11月も中銀の目標(年+2.5%~+6.5%)の上限を上回っています。

■中銀は12月3日、政策金利を0.50%引き上げ、11.75%とすることを発表しました。利上げは10月の会合から2会合連続で、上げ幅は前回の0.25%から拡大されました。利上げ幅の拡大は、物価高を抑制する中銀の意向がより強く反映されたものと考えられます。

【今後の展開】物価抑制や財政再建を通じ、中長期的な景気見通しは改善へ

■中銀は、公共料金引き上げなどにより物価上昇率が2015年も高止まりすると見ています。中銀は、2016年には目標レンジの中心値(前年比+4.5%)に近づくよう、積極的に対応する方針です。中銀は、次回会合(2015年1月20日~21日)以降も利上げを続けると見込まれます。

■ルセフ大統領は2015年1月から2期目を迎えるにあたり、市場で評価の高いレビ氏を財務相に起用し、財政再建にも積極的に取り組む姿勢です。こうした政策は短期的に景気を下押しする可能性がありますが、財政への信任や中長期的な景気見通しの改善につながると見られ、レアルや株式市場の支援材料になりそうです。

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