最近の指標から見るメキシコ経済(2014年8月) 内需が持ち直し、景気回復が続く見込み【デイリー】
2014年8月26日
【ポイント1】景気回復が続く見込み
外需は堅調持続、内需は持ち直し
■4-6月期の実質GDP成長率は、前年同期比+1.6%、前期比+1.0%となりました。前期比で見ると、今年に入ってから成長は加速しています。
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は、8月13日に公表した「インフレ・レポート」で、政府の構造改革を背景に消費者や企業の心理が改善し、今年後半から来年にかけて内需が緩やかに持ち直すとの見方を示しました。外需が堅調さを持続する見込みもあり、中銀は景気回復が続くと見ています。

【ポイント2】物価上昇率は低下へ
足元の上振れは食品などが影響
■7月の消費者物価指数は前年同月比+4.07%と、中銀の物価目標(年+3%、変動幅±1%)の上限を超えました。食品などの価格上昇が影響しており、食品、エネルギーを除くコア指数は+3%台前半で落ち着いています。
■中銀は、物価上昇率は公共料金引き上げなどの影響から当面+4%程度で推移するものの、その影響の薄れる年末頃から低下し、来年初頭には目標の+3%近辺に達すると見ています。

【今後の展開】中銀の低金利政策に加え、政府のエネルギー改革も景気を支える要因
■中銀は、6月の会合で政策金利を0.5%引き下げて3.0%とし、7月の会合では据え置きました。
■中銀は物価上昇率が今後低下すると見ていることから、過去最低の政策金利を当面据え置き、景気を支えると見られます。
■政府は国営公社が独占していた石油開発に外資を含む民間資本の参入を認めるなど、エネルギー政策の改革を進めています。昨年12月に成立した改革基本法案に続き、8月上旬には細目を定める関連法案が成立しました。
■民間活力の導入によるエネルギー開発への投資や生産量の拡大から、中長期的な経済成長率の上昇、財政収支や経常収支の改善などが期待されます。