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【デイリー No.1,836】ブラジルの金融政策(4月) ~9会合連続で政策金利を引き上げ~

2014年4月3日

<ポイント>
●ブラジル中央銀行(以下、中銀)は2日、政策金利を0.25%引き上げ11.00%とすることを発表しました。
●中銀はインフレへの警戒を続ける一方、景気にも配慮し、経済指標などを慎重に見極める姿勢です。
●景気持ち直しへの期待、追加利上げ観測、中銀によるレアル買いの為替介入プログラムなどが下支え要因となり、レアルは今後も底堅く推移しそうです。

1.市場予想通りに政策金利を小幅に引き上げ

 0.25%の引き上げは全会一致の決定です。2013年4月に史上最低水準の7.25%から0.25%引き上げて以降、利上げは9会合連続となり、引き上げ幅は合計で3.75%となりました。ブルームバーグの事前調査によると、57人のエコノミスト全員が0.25%の利上げを予想しており、市場予想通りの決定となりました。

2.物価への警戒を続ける一方、景気にも配慮する姿勢

 前回会合の議事録によると、中銀は過去のレアル安や賃金の上昇などによる物価上昇圧力を警戒しています。中銀は、2014年末の消費者物価指数(2月は前年同月比+5.68%)を前年比+6.10%と、物価目標(同+2.5%~+6.5%)の上限に近づくと予想していることもあり、今回も利上げを継続してインフレの抑制を図ることが必要と判断したと見られます。
 一方、利上げ幅は0.25%と、2会合連続で小幅になりました。中銀は、2014年の実質GDP成長率を前年比+2.0%と、前年(同+2.3%)に続き低成長にとどまると予想しており、今回も利上げ幅を小幅にとどめたと見られます。

3.今後の市場見通し

 中銀が3月31日に発表した消費者物価指数に関する調査では、エコノミストの予想中央値は2014年末に前年比+6.30%と中銀の予想を上回っています。中銀はインフレを警戒し、次回会合(5月27日~28日)でも小幅の利上げを続ける可能性は高いと見られます。
 ただし、中銀は今回の声明文で「次回会合まで経済見通しの変化を注視する」との姿勢を新たに明示しました。中銀は金融政策の効果が表れるには時間がかかるとの考えを従来から繰り返しています。利上げ開始から約1年が経過したこともあり、今後発表される国内外の経済指標や海外中銀の動向次第では、中銀が景気への配慮をより重視し、今回で利上げを打ち止めにする可能性もあります。
 ブラジルの景気は、底堅い消費や公共投資の拡大などから、緩やかながら持ち直すと見込まれます。高金利の継続、中銀によるレアル買いの為替介入プログラムなども下支え要因となり、レアルは今後も底堅く推移しそうです。一方、米国のQE3縮小や新興国景気の先行き不透明感などは、レアルの下押し要因として今後も注意が必要と思われます。

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