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【デイリー No.1,773】ブラジルの金融政策(1月) ~7会合連続で政策金利を引き上げ~

2014年1月16日

<ポイント>
●ブラジル中央銀行(以下、中銀)は政策金利を0.50%引き上げ、10.50%とすることを決定しました。
●中銀は金融引き締め姿勢を当面維持する見込みです。ただし、利上げ幅を縮小するとの見方も出ています。
●海外と比較して高い金利水準、米国や中国などの底堅い景気に輸出や生産が支えられるとの期待、中銀のレアル買いの為替介入プログラム、日銀の追加金融緩和観測などからレアルは対円で底堅く推移しそうです。

1.2013年4月以降7会合連続、合計3.25%の利上げ

 中銀は前回11月の会合と同様に、全会一致で政策金利の引き上げを決定しました。2013年4月に政策金利を史上最低水準の7.25%から0.25%引き上げて以降、利上げは7会合連続となり、利上げ幅は合計で3.25%となりました。

2.中銀は金融引き締め姿勢を当面維持する見込み

 2013年12月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比+5.91%となり、市場予想(同+5.81%)を上回りました。中銀は、物価が上振れした主な要因として、ブラジルレアルのこれまでの下落、賃金の上昇、運輸関連費用の値上がりなどを挙げており、金融引き締め姿勢を当面維持する見込みです。
 中銀は声明文で、「2013年4月に開始した政策金利の調節プロセスを続けており、今回は政策金利を0.50%引き上げて10.50%とすることを全会一致で決定した」としました。新たに「今回は」との文言を追加したことから、中銀は政策金利の変更幅を今後調節する可能性を示唆したと見る向きがあります。
 2013年7-9月期の実質GDP成長率は、前年同期比+2.2%と前期の同+3.3%から減速しました。経済成長率の伸び悩みが懸念されることもあり、次回2月25日~26日の金融政策委員会では、中銀が金融引き締め姿勢を維持しつつも、利上げ幅を0.25%に縮小するとの見方も出ています。

3.今後の市場見通し

 昨年10月末以降、レアルは米ドルなどに対し下落傾向となり、足元でも上値の重い展開が続いています。財政収支の悪化、成長率の伸び悩み、国債の格下げ懸念などが主な要因です。加えて、12月中旬には米国で量的金融緩和策(QE3)の縮小が決定されたことも、レアル安要因になりました。
 景気の先行き不透明感や米国のQE3の縮小は、当面レアルへの下押し要因になりそうです。ただし、海外と比較して高い金利水準や、米国や中国などの底堅い景気に輸出や生産が支えられるとの期待などは、レアルの下支え要因になりそうです。加えて、中銀がレアル買いの為替介入プログラムを6月末まで続ける方針であり、レアルは米ドルに対して今後持ち直す可能性もあります。対円では、日銀が金融緩和策を追加するとの見方もあり、底堅く推移しそうです。