日本株式市場の見通し
日米株価の連動性、名目GDPと株価の関係に注目【デイリー】

2017年10月23日

【ポイント1】与党圧勝で政策不安払しょく

アベノミクスの枠組み維持に安心感

■10月23日の東京株式市場は、大幅続伸で始まりました。22日に投開票が行われた第48回衆議院選挙で、与党が圧勝したことで、政策不安が払拭されたことが好感されています。これまでの財政政策や経済成長戦略が維持され、アベノミクスの枠組みが変わらないことで、金融市場にとっては安心感が広がりやすい環境となりました。

【ポイント2】決算期到来で業績に注目

期待される上方修正

■衆議院選挙が終了したことで、今後、国内要因としては企業業績の動向が注目されることになりそうです。今週から、日本企業の7-9月期の決算発表が本格化します。今年度は製造業の業績が堅調に推移していますが、アジア向けを中心に輸出が好調であることから、輸出関連企業の業績拡大が期待されます。

■企業業績の上振れ期待の背景には、円安・米ドル高進行もあります。日銀短観で示された企業の想定円/米ドルレートは1ドル109.29円で、9月末の円/米ドルレートは112円台とかなりの乖離があり、7-9月期、また、年度通期の業績上振れが期待されます。10月23日は、一時、7月以来の114円台の円安水準となるなど、円/米ドルレートの水準訂正は、業績と株価にとってプラスに作用すると期待されます。

■また、外部環境も好調です。米国では19日に2018年度の予算決議案が上院で可決されました。今後は、統一議決案を決定する必要があり、また、税制改革案の作成も進むことになります。楽観は禁物ですが、米国市場を巡る環境は好調で、日本の株式市場にも好影響を与えそうです。

【今後の展開】日米株価の連動性、名目GDPと株価の関係に注目

今後の日本株を見通す上で、短期的には日米株価の連動性、長期的には名目GDPと株価の関係が注目されます。

1.日米株価の連動性に注目

■日本株は米国株式市場との連動性を高めています。米国株式市場は引き続き好調な経済、堅調な情報技術セクターの業績、緩やかな金融市場の正常化、税制改革に対する期待等を背景に堅調に推移しており、日本株がこれに連動するようになりました。日本経済の見通しが上振れる中、日本株の相対的な出遅れ感が意識されたためと考えられます。米企業の7-9月期決算は好調に始まっており、株価指数の押し上げ要因となりそうです。日本株にとってもプラス要因です。

2.ようやく20年前のピークを上回った日本の名目GDP。2018年はさらなる拡大が期待される

■より長期的な視点で今後の日本株式市場を展望するに際して、株価と名目GDPの関係が注目されます。

■世界経済が金融危機の影響から徐々に脱する中で、日本経済も新しい局面に入りつつあると考えられます。日本の名目GDPは日本がデフレ期に入る直前の1997年10-12月期に536.6兆円となった後、それを更新できませんでした。1997年10-12月期からアベノミクスが始まった2012年10-12月期までの平均成長率を見ると、名目GDPは毎年平均0.5%縮小していました。

■しかし、アベノミクス開始以降(2012年10-12月~2017年4-6月期)で見ると、名目GDPは平均2%程度の成長を続け、直近の2017年4-6月期には542.8兆円となりました。今後も名目ベースで1.5~2.0%の成長が継続すれば、2018年後半には日本の名目GDPは560兆円程度まで伸びる見通しです。

■長期でみれば、名目GDPと株価は連動しています。今後政治リスクが高まらなければ、2018年末にかけて日本株の水準もさらに上方へシフトする可能性が高まると期待されます。

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