日銀短観と市場動向
大企業製造業の景況感は横ばい、追加政策に期待 【デイリー】
2016年7月1日
【ポイント1】景況感は横ばい

非製造業は悪化
■7月1日発表の6月の「日銀短観」によると、大企業・製造業の「業況判断DI」は+6と前回比横ばい、同非製造業が+19と、同▲3となりました。同製造業は市場予想(+4、ブルームバーグ集計)を上回る結果でした。3カ月後の先行きについては、同製造業が+6と横ばい、同非製造業は+17と悪化の見通しです。なお、今回の調査では、英国が欧州連合(EU)離脱を決めた後の金融市場の影響はほとんど織り込まれていないと見られます。
【ポイント2】想定為替レートは111円

設備投資計画はやや慎重
■大企業・製造業の想定為替レートは111円台と、足元の水準との差が浮き彫りになりました。今後想定為替レートが下方修正される可能性があり、収益への影響が懸念されます。
■設備投資計画は、大企業・全産業ベースで6.2%となりました。今回の計画は、昨年の同時期の計画を下回りました。
【今後の展開】追加緩和・補正予算に期待

■日銀短観の内容は概ね市場の予想の範囲内であったため、発表後の市場の動きは小動きとなっています。ドル円相場が102.92円と前日比やや円安、日経平均株価が15,679円と同小幅高で推移しています(12時時点)。英国のEU離脱ショックを受けて、財務省、日銀が緊急会合を開き、投機的な円高に断固たる措置を取る姿勢を示した後、円高に歯止めがかかり、株式市場は落ち着きを取り戻しています。日銀の追加金融緩和や補正予算の規模拡大などの期待感が今後も株式市場を支えそうです。
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