ホームマーケット日々のマーケットレポート日本株式市場の見通し 目立つ出遅れ感。株主還元の高まりに注目/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

日本株式市場の見通し
目立つ出遅れ感。株主還元の高まりに注目 【デイリー】

2016年6月6日

【ポイント1】下落してはじまった日本株式市場

低調な米雇用統計を受けてドル安/円高

■日本株は、本日午前中に一時1万6,322.64円と前週末比▲319.59円を付けました。日本株の下落要因は、先週金曜日に発表された5月の米国雇用統計が前月比+3.8万人と、事前予想の同+16万人(Bloomberg調べ)を大きく下回ったことによります。低調な雇用統計を受け、米国の利上げ再開の見方が大きく後退し、それに受けてドル安/円高となりました。

【ポイント2】利上げ再開は9月以降

基調変化確認には数カ月必要

■雇用統計は、月毎の振れが大きいのが特徴です。ISM景況感指数や失業保険申請件数といった指標が悪化しているわけではなく、先々の雇用者数は再び15-20万人のペースで推移すると期待されます。ただ、景気・雇用の基調を判断するには、6月、7月の雇用情勢を見極めるなど、数カ月間が必要と思われます。米国の利上げ再開は6月、7月が見送られ、9月以降となりそうです。

【今後の展開】日本株式は株主還元の高まりに注目

■先週末3日のNYダウ指数は前日比▲31.50ドルと小幅な下落に留まりました。利上げ再開のタイミングは遅れそうですが、市場参加者は米国経済に強い懸念を抱いている状況ではありません。その分、日本株式の出遅れ感が目立ちます。為替次第の面はありますが、一方で、コーポレートガバナンスコードの導入を受けて株主還元の動きが強まるなど、日本株式市場には評価できる動きも高まってきています。

■日本は6月15-16日に日銀金融政策決定会合が開催されます。経済対策が秋にまとまる見通しであることから、追加緩和の時期は9月か10月に後ずれしそうです。ただ、この先、デフレ懸念が急速に強まった場合に備えて、日銀は年央の追加緩和も選択肢として残していると考えられます。基本的に日本の経済対策や追加緩和への期待は残されており、日本株式の下支え要因になると思われます。

関連マーケットレポート