日本企業の業績動向
増益ペースは停滞だが、株価には織り込み済み 【デイリー】
2016年5月18日
【ポイント1】15年度は3%経常増益

内需堅調、資源関連低迷
■東証1部上場企業(除く金融)の2015年度の決算発表状況は、売上高が前年同期比+0.2%、営業利益が同+13.5%、経常利益が同+3.3%、当期利益が同▲0.9%、となった模様です。
■業種別に見ると、電気・ガス業、医薬品、石油石炭製品、建設業などが全体の増益をけん引しました。一方、資源価格や市況下落を反映し、鉄鋼、海運、卸売業(商社)などは減益となりました。
【ポイント2】年度後半に失速

業績下方修正は織り込み済み
■業績は当初は好調でしたが、後半は円高や資源価格の下落、中国や新興国経済の失速の影響を受けました。純利益が減益となったのは、商社などで資源関連への投資に対する減損処理が多かったためと見られます。
■業績の失速とともに、リビジョンインデックス(業績が上方修正された企業から下方修正された企業の比率を差し引いた指数)は、マイナス圏に大きく低下しています。株価も歩調を合わせて下落しており、現在の企業業績停滞は株価に織り込まれていると思われます。
【今後の展開】円高止まれば増益は可能
■2016年度の企業側の業績ガイダンスは、経常利益段階で微減益予想となった模様です。為替レートの前提は1ドル=110円が大勢を占めています。企業側の見通しは当初慎重なことが多く、円高の進行が止まれば、今後上方修正される可能性があり、株価にはプラスとなる公算が高いと思われます。