ドル円相場の動向 ドル高・円安の流れが加速【デイリー】
2015年5月27日
【ポイント1】レンジ相場を上抜け
123円台前半まで上昇
■ドル円は5月26日の外国為替市場で、一時1ドル=123円台前半まで上昇し、約7年10カ月ぶりとなるドル高・円安水準を回復しました。2月9日以降、118円台前半から122円付近までのレンジ相場が続いていましたが、明確にレンジを上抜けたことで、ドル高・円安の流れが加速したとみられます。
■ドル円は5月27日の日本時間午前中もおおむね123円台での推移が続いています。

【ポイント2】ドル主導の相場展開
投機的な要素も加わる
■外国為替市場は、米国の利上げ開始時期や利上げペースを巡る思惑に左右されやすい、ドル主導の相場展開が続いています。先週末にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内利上げの可能性を示唆したことや、このところの米経済指標の改善がドル買いにつながり、今回のドル円相場の上昇につながったと考えられます。
■また通貨先物市場や通貨オプション市場では、ドル高・円安に備えた投機的な取引もみられ、これらもドル高・円安の進行に影響した可能性があります。

【今後の展開】米金融政策をにらみつつ、しばらくドル高円安地合いが続く可能性
■日本国内に目を向けると、日銀は5月21日、22日の金融政策決定会合で政策方針の現状維持を決定し、景気判断を小幅に上方修正しました。また黒田総裁は同日の記者会見で、現時点で追加緩和が必要とは考えていないと述べており、強力な円安材料となり得る日銀の追加緩和については、早期実施の期待が大きく後退しています。
■ドル主導の相場が続くなか、仮に米国の利上げが年内に開始され、その後の利上げペースが極めて緩やかなものになれば、ドルの上昇ペースもそれに沿った動きとなる可能性があります。円安材料は乏しいものの、ドル円は米金融政策をにらみつつ、しばらくドル高円安地合いが続く可能性があります。