連休中の海外市場動向と7日の日本株市場 景気の先行き不透明感やイエレン発言などから株価は下落【デイリー】
2015年5月7日
【ポイント1】米国株は下落
日本株も米国株安につれる展開
■日本の連休中のNYダウ(5月4日~6日)は、3日間で1.0%の下落となりました。米国や中国などの経済指標で弱い内容のものが相次ぎ、世界的に景気下振れへの懸念が強まっていることに加え、ギリシャ債務問題への不透明感もリスク回避の動きを強める要因となっています。
■またイエレンFRB議長は6日、「株式市場のバリュエーションは総じてかなり高い」などと発言しました。これは、FRBの金融緩和策が市場のバブルをもたらしているとの批判に応じた発言ではあるものの、市場心理の悪化につながりました。
■連休明け7日の日経平均株価は、米株市場の流れを引き継ぎ、1日の終値に対して239.64円安の19,291.99円と、約1カ月ぶりの安値となりました。

【ポイント2】米ドル安傾向が継続
国債利回りは欧州債中心に上昇
■米国景気の先行き不透明感を背景にこのところ米ドル安傾向にありますが、連休中もその傾向が継続しました。米ドル安を背景に原油高も継続しました。ただし米ドル円レートについては、円を巡る材料が乏しいため、最近の119円~120円程度のレンジを外れる動きはうかがわれません。
■一方、国債利回りは上昇傾向です。米国の利上げ見通しに加え、欧州ではギリシャ問題の解決が見えない中、主要国の財政負担への懸念が強まりドイツ国債の利回りが上昇、米国債利回りもこの影響を受けていると見られます。

【今後の展開】株価は企業収益拡大を好感へ
■世界景気の不透明感やギリシャ問題、株式需給の季節性などは、当面株価の上値を抑える要因となりそうです。年末に向けては、世界景気の回復が確かなものになるにつれ、株価は企業収益の拡大に沿った展開となることが見込まれます。
