ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る日本経済(2015年4月)  企業収益拡大、賃上げ、消費回復の好循環へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る日本経済(2015年4月)  企業収益拡大、賃上げ、消費回復の好循環へ【デイリー】

2015年4月28日

【ポイント1】貿易収支は2年9カ月ぶり黒字

円安、原油安が寄与
■3月の貿易収支は、2,293億円の黒字となりました。黒字は2年9カ月ぶりです。輸出が前年同月比+8.5%と7カ月連続で増加するなか、輸入が同▲14.5%と大幅に減少したことで、輸出額が輸入額を上回りました。

■輸出は、円安などで自動車、半導体等電子部品、金属加工機械が増加したことが寄与しました。一方輸入の減少は、円安による価格上昇の影響より原油価格の下落が大きかったことで、原粗油が同▲50.7%と大幅に減少したことが影響しました。

【ポイント2】3月の小売販売は増税前との比較で大きく減少

街角の景況感は回復基調
■3月の小売業販売額は、消費税増税前の駆け込み需要で急増した月との比較になるため前年同月比▲9.7%となりました。機械器具が同▲27.9%、燃料が同▲20.0%と大幅に減少したことなどが影響しました。

■一方、3月の「景気ウォッチャー調査」は、「現状判断DI」が前月比+2.1ポイントの52.2ポイントと2カ月連続で中立の50ポイントを上回りました。内訳をみると、家計動向が消費税増税後初めて50ポイントを上回り、企業動向、雇用は50ポイント超が続き改善傾向となりました。街角の景況感は上向いていると言えそうです。

【今後の展開】実質賃金上昇により緩やかな消費回復へ

■2014年度、2015年度の企業収益は、連続で過去最高を更新する見通しです。円安で輸出が好調なことに加え、原油安によるエネルギーコスト低減も寄与する見通しです。収益拡大により企業や個人の景況感がさらに高まることが期待されます。

■4月以降の物価上昇率は、消費税率引き上げの影響を脱し、低位となる見込みです。賃上げと物価抑制で実質賃金の上昇が見込まれます。今後は、企業収益の拡大がさらなる賃金上昇につながり、緩やかな消費回復がけん引する景気拡大が見込まれます。

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