日銀の政策と市場動向 金融政策は当面現状維持、株価は企業収益拡大を反映へ【デイリー】
2015年4月8日
【ポイント1】金融政策は現状維持
物価目標も維持
■日銀は、7日~8日に金融政策決定会合を開催し、量的・質的金融緩和の維持を決定しました。国債やETF、JーREITなどの買い入れによりマネタリーベースを年間約80兆円増加させる方針を維持しました。
■景気については、「緩やかな回復基調を続けている」という見方を据え置きました。1日発表の日銀短観では、企業景況感の改善が足踏みしましたが、今回の声明文には、「企業の業況感は、総じて良好な水準で推移している」との文言が追加されました。
■物価目標についても、「2015年度を中心とする時期に2%の物価安定に達する可能性が高い」という従来の見解を維持しました。

【ポイント2】政策維持発表後も株高持続
為替は前日の円安基調が反転
■8日の日経平均株価は、前日の円安基調などを受けて続伸して始まり、日銀の金融政策発表後も上げ基調を維持し、一時約15年ぶりに19,800円台を回復しました。終値は前日比149.27円高の19,789.81円でした。
■米ドル円レートは、前日に120円台に円安が進みましたが、日銀の発表後は、反動などから円高方向の動きとなり、日本時間の15時時点では119.88円となっています。

【今後の展開】金融政策は当面現状維持、株価は企業収益の拡大を反映へ
■日銀が量的・質的金融緩和を導入して2年が経過しました。当初、「2年で2%の物価安定の目標」を掲げましたが、足元では原油安などもあり目標を大きく下回っています。
■日銀は、「エネルギーを除いた物価の基調は改善傾向」という見解を維持しており、現行の政策を当面継続すると思われます。円安や企業収益の拡大、賃上げなどが景気拡大と物価上昇つながる好循環が進むか注目されます。
■円安や原油安などを背景に企業収益は過去最高が続くと見られることなどから、株価は、企業収益の拡大に沿った展開が期待されます。