日本株式市場、15年ぶりの高値と今後の見通し 日本企業の「稼ぐ力」を評価する展開へ【デイリー】
2015年2月20日
【ポイント1】日経平均は15年ぶりの高値
景気回復と企業業績拡大への期待が背景
■20日の日経平均株価は前日比+67.51円の18,332.30円と、ほぼ15年ぶりの高値となった前日からさらに上昇しました。一方、米ドル円相場は119円前後と比較的狭いレンジで動いています。
■株価上昇の主な要因は、景気回復と円高是正の定着を背景に、企業業績の拡大期待が強まっていることです。欧米の株式市場が上昇していることも投資家心理を支えています。

【ポイント2】企業の収益力は改善傾向
「稼ぐ力」を回復しつつある日本企業
■日本企業の収益力は、非金融企業の株主資本利益率(ROE)が徐々に上向くなど、改善傾向にあります。円安や原油安による、直接的な収益の押し上げ効果に加え、2012年にスタートしたアベノミクスが進めてきた構造改革もあり、日本の企業は「稼ぐ力」を回復しつつあると見られます。
■足元では、賃上げ、女性の活躍促進、農協改革、訪日外国人の増加など、経済にとっての明るい話題も増えてきました。企業はこうしたビジネスチャンスを生かすことで、「稼ぐ力」をさらに高めることが期待されています。

【今後の展開】企業業績の拡大に沿って株価は底堅い展開へ
■この2月に、3兆円を超える規模の今年度補正予算が成立し、景気回復の足取りがしっかりとすることが予想されます。また、来年度予算も国会審議を経てスムーズに成立する見込みです。財政の後押しに加え、株価に割高感がうかがわれないことから、株価は企業業績の拡大に沿って、底堅い展開が見込まれます。
■一方、原油価格が落ち着き始め、過度な原油安の悪影響は収束の方向です。ウクライナやギリシャなどの問題は解決に向けた動きが出始めています。地政学リスクには引き続き注意が必要ですが、投資家のリスク回避の動きがさらに強まる可能性は後退していると見られます。