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最近の指標から見る日本経済(2015年1月)  景気は、増税の影響が一巡した後回復へ【デイリー】

2015年1月9日

【ポイント1】生産は増税の影響が長引く

輸出は堅調
■11月の鉱工業生産指数は前年同月比▲3.8%と2カ月連続のマイナスとなりました。電子部品・デバイス工業など一部に好調な業種がありましたが、15業種中12業種が前年同月比マイナスとなりました。自動車などの耐久消費財の回復が鈍く、消費税増税の影響が長引いていると見られます。

■11月の輸出総額は前年同月比+4.9%と3カ月連続のプラスとなりました。半導体等電子部品や科学光学機器などが好調でした。スマートフォン向けなどがけん引したと見られます。

【ポイント2】消費回復に足踏み感

実質賃金は17カ月連続のマイナス
■11月の小売業販売額は前年同月比+0.4%と5カ月連続のプラスとなりました。プラスは続いているものの、消費税増税後の回復にやや足踏み感が見られます。衣服・身の回り品などの生活必需品は比較的堅調でしたが、自動車などの高額品は増税の影響が残りました。

■物価の影響を除いた賃金(実質賃金)が低下していることも、消費が低調な背景と見られます。11月の実質賃金総額は前年同月比▲4.3%と17カ月連続のマイナスとなりました。

【今後の展開】輸出の回復、賃金の増加、経済対策から景気回復

■今年4月以降は消費税増税の物価への影響が一巡します。また、原油価格の下落により、ガソリンや電力料金の値下がりが見込まれることなどから、物価上昇圧力は弱まると見られます。さらに政府は賃上げをした企業に対し優遇税制の実施を予定するなど、今後は実質賃金の低下に歯止めがかかり緩やかな増加が見込まれます。

■米国景気の堅調さなどを背景に輸出は今後も堅調に推移すると見られます。また、企業業績拡大に伴う賃金の上昇や、増税延期による消費者マインドの好転も見込まれます。さらに、生活者支援や地方の活性化などに3.5兆円の緊急経済対策を実施することもあり、景気回復が期待されます。

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