【デイリー No.1,866】日本のGDP成長率(1-3月期) ~設備投資が市場予想を上回る~
2014年5月15日
<ポイント>
・1-3月期の実質GDP成長率は前期比+1.5%(同年率+5.9%)と、6四半期連続のプラス成長となりました。
・設備投資が上振れたため、GDP全体が市場予想を大幅に上回りました。
・4-6月期は一時的にマイナス成長となる見込みですが、個人消費の持ち直しなどから7-9月期はプラスに転じる見通しです。
1.1-3月期の実質GDPは6四半期連続のプラス成長
2014年1-3月期の実質GDP成長率(1次速報値)は、前期比+1.5%、同年率+5.9%と、6四半期連続のプラスとなりました。消費税増税前の駆け込み需要で個人消費が好調だったことに加え、設備投資が大幅に増加しました。市場予想(ブルームバーグ集計、前期比+1.0%、同年率+4.2%)を大幅に上回りました。
また、2013年度の実質GDP成長率(1次速報値)は前年度比+2.3%と4年連続のプラスとなりました。
2.設備投資が市場予想を上回る
1-3月期は、全体の約6割を占める個人消費が前期比+2.1%と好調で全体を1.3%押し上げました。増税前の駆け込み需要などから、10-12月期の同+0.4%から大きく加速し、市場の予想(同+2.1%)と一致しました。
設備投資は同+4.9%と4四半期連続の増加となり、全体を0.7%押し上げました。また、市場予想(同+2.1%)を大幅に上回りました。
一方、純輸出(輸出-輸入)については全体を▲0.3%押し下げましたが、2013年10-12月期と比較して、輸出が大きく好転したことから、前期のマイナス寄与度(▲0.6%)からは改善しました。また、公共投資は財政出動の一巡などから前期比▲2.4%と減少したため、全体を▲0.1%押し下げました。
3.今後の見通し
2014年度のGDP成長率は、4-6月期は駆け込み需要の反動減でマイナス成長が見込まれますが、7-9月期以降は徐々に持ち直しプラス成長に転じると思われます。日本経済研究センターが発表している民間エコノミスト42名の予想集計値の実質GDP成長率は4-6月期が前期比年率▲3.8%、7-9月期は同+2.3%となっています。
12日に発表された景気ウォッチャー調査では、「現状判断指数」が前月比▲16.3ポイントの41.6ポイントとなりましたが、2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断指数」は前月比+15.6ポイントの50.3ポイントと、5カ月ぶりに上昇しました。このように、先行きに対する景気の見方は上向いてきており、個人消費は底堅く推移すると見られます。また、欧米を中心に海外の景気も緩やかながら回復が続く見通しであり、輸出の増加が期待されます。一方、輸入については、円安の影響の一巡などから伸びが鈍化すると見られ、外需もプラス成長に転換していくと見られます。