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資源価格の動向
原油は上値重い、鉄鉱石は中国の鋼材市況がカギ

2016年4月20日

【ポイント1】原油は上値が重い展開に

産油国会合で意見まとまらず

■原油価格(WTI先物、直近限月)は、17日の産油国会合で現状の生産量維持の合意には至らず、18日の取引では一時約7%安まで売られました。その後はクウェートの石油労働者のストライキなどもあり、引けは1.4%安と下げ渋りました。

■原油需給は、新興国での需要増加、シェールオイルの減産などのプラス要素もありますが、イランなどの産油国の増産予測などから、緩慢な状態が継続する見込みです。産油国の協調が得られなければ、上値が重い展開が予想されます。

【ポイント2】鉄鉱石市況は好調

中国の鋼材市況が急回復

■他の資源では、鉄鉱石市況が好調な推移となっています。中国が豪州などから輸入する鉄鉱石のスポット価格は、2月の旧正月後に急反発し、底値から約5割以上上昇しています。

■これは、中国の鋼材市況の反発が背景です。代表的な品種である熱延鋼板の市中価格は、昨年12月の底値から約60%上昇しています。政府の経済対策への期待や、足元の不動産市況の回復などが背景と見られます。

【今後の展開】原油は産油国の協調、鉄鉱石は鋼材市況がポイント

■原油については、短期的な需給改善には産油国の減産、あるいは増産の回避が不可欠です。産油国は、石油収入の減少から財政が厳しくなっているため、6月2日に予定されているOPEC総会、あるいはそれ以前に、どのような対応策を打ち出せるかが、カギとなりそうです。

■世界の鉄鋼株や鉄鉱石関連株は、中国の鋼材市況の回復を受けて、急上昇しています。中国の鋼材市況は、中期的には鉄鋼メーカーの増産により需給が悪化するリスクはありますが、現在の在庫レベルが低水準なため、当面は堅調な展開が予想されます。

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