IMFの世界経済見通し(2016年4月)
下方修正の相場への影響は限定的
2016年4月14日
【ポイント1】今年の経済成長率は3.2%

前回から0.2ポイント下方修正
■国際通貨基金(IMF)は4月12日、最新の世界経済見通しを発表しました。2016年の成長率は世界全体で前年比+3.2%と、前回1月時点の予測から0.2ポイント下方修正されました。
■2017年は0.1ポイント下方修正の同+3.5%となり、世界経済の回復ペースは緩慢で、脆弱さが続くリスクが高まっているとの認識が示されました。
【ポイント2】来年は緩やかに回復へ
ただし日本はマイナス成長に
■来年の成長率について、先進国・地域は今年の前年比+1.9%から+2.0%へ、同じく新興国・地域は同+4.1%から+4.6%へ、それぞれ緩やかに改善する見通しです。ただIMFは成長支援に構造、財政、金融の政策アプローチが必要としています。
■なお日本の成長率は2017年がマイナス0.1%と、主要国で唯一マイナス成長に陥る見通しです。ただこれは消費増税という特殊要因の影響を踏まえた予測値です。
【今後の展開】世界経済見通しの下方修正による相場への影響は限定的
■IMFのラガルド専務理事が4月5日に世界の景気回復に対するリスクが増していると発言していたこともあり、金融市場では今回の下方修正は概ね事前に予想されていたと思われます。
■見通しが発表された4月12日は原油の大幅高を受け、株高、円全面安のリスクオン(選好)相場となりました。そのため今回のIMF予測が相場に与えたマイナスの影響は限定的であったと考えられます。