ホームマーケット日々のマーケットレポート新興国通貨の動向  世界経済の回復に伴い、次第に落ち着く展開へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

新興国通貨の動向  世界経済の回復に伴い、次第に落ち着く展開へ【デイリー】

2015年3月11日

【ポイント1】新興国通貨の下落傾向が強まる

米国利上げ観測が背景
■新興国通貨は、米国での利上げ観測などを背景に足元で下落しています。10日の市場では(ニューヨーク時間17時時点)対円でロシア・ルーブルが前日比▲3.1%、ポーランド・ズロチが同▲2.4%、南アフリカ・ランドが同▲2.3%などとなりました。

■米国での利上げ観測を背景に米ドルが上昇基調を強める中、財政や経常収支の赤字に不安がある国の通貨を中心に下落圧力が強まっています。

【ポイント2】ロシア・ルーブルが大幅下落

インド・ルピーは小幅な下落にとどまる
■ロシアでは、これまでの原油安や欧米諸国による経済制裁などから、政府の税収減や経常収支の改善の遅れが見込まれており、ルーブルは足元では下げ止まり感はあるものの昨年来の下落幅は主要新興国通貨と比べて大きくなっています。ブラジル、南アフリカの通貨も財政収支や経常収支の赤字を背景に下落基調を強めています。

■ポーランドやハンガリーなど東欧の新興国通貨は、欧州中央銀行による量的金融緩和を背景にユーロが下落基調にあることも要因となり、対円、対米ドルなどで下落圧力が強まっています。

■インドでは財政の健全化や経常収支の赤字が縮小していることなどを背景に、ルピーの下落は小幅にとどまっています。

【今後の展開】世界経済の回復に伴い、次第に落ち着きを取り戻す展開へ

■米国では景気が底堅く推移していることから、今年半ば以降に利上げが見込まれます。利上げ時期や利上げ幅の見方が新興国通貨を見る上でも引き続き注目されます。

■世界経済の回復により新興国経済も安定に向かうと見られます。個別国の動向には注意が必要となるものの、新興国通貨は世界経済の回復に伴い次第に落ち着きを取り戻すと思われます。

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