ホームマーケット日々のマーケットレポート足元の世界の市場動向  リスク回避の後退には原油価格がカギ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

足元の世界の市場動向  リスク回避の後退には原油価格がカギ【デイリー】

2015年1月15日

【ポイント1】主要国の国債利回りが低下

株価下落、ユーロ安、円高も進行
■米国の10年国債利回りは、昨年12月末から直近(1月14日)まで0.32%低下しました。欧州や日本などでも、国債利回りの低下傾向が続いています。

■国債利回り低下の主因としては、昨年から継続している原油価格の下落やギリシャの政局不安を受けた投資家のリスク回避姿勢、欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和策の追加観測などが挙げられます。

■こうした材料を受けて、株式市場の下落や、為替市場でのユーロ安や円高なども進んでいます。

【ポイント2】米国利上げに後ずれの可能性

経済指標の下振れなどが影響
■年初来の国債利回り低下には、米国の12月の雇用統計で賃金の伸びが下振れたことも要因になりました。また、製造業・非製造業ISM指数や同月の小売売上高が市場予想を下回ったことなども影響したと見られます。

■投資家は、景気見通しにやや不透明感が増していることや、利上げ開始時期の後ずれの可能性などに注目しつつあると思われます。

【今後の展開】世界経済の不透明感払しょくにつれ、リスク回避後退へ

■原油価格(WTI)は、一時1バレル=45ドルを下回った後、反発しています。米国シェールオイルの生産量が減少する兆しも見られ、需給は改善する見込みです。原油価格が落ち着き、原油を産出する新興国の景気が回復する見通しが立てば、世界経済の不透明感が薄らぎ、投資家がリスク回避姿勢を緩めると見られます。

■一方、ECBと日本の追加金融緩和期待が根強いことや、米国で賃金の伸びが低く抑えられていることなどから、主要国の国債利回りは低水準が続くと思われます。低金利の継続と世界経済の回復は、株式などのリスク資産にとって好材料と考えられます。

関連マーケットレポート