ホームマーケット日々のマーケットレポート2014年の振り返り(為替市場)  年後半一挙に進んだ円安【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

2014年の振り返り(為替市場)  年後半一挙に進んだ円安【デイリー】

2014年12月30日

【ポイント1】2014年後半に円安加速

日銀の量的質的緩和第2弾が背景
■2014年の米ドル対円レートは、2月上旬まで米国経済の悪化懸念や地政学リスクの高まりなどから101円台まで円高が進み、以後8月下旬まで102円を挟む狭い水準での推移となりました。その後は日米の金融政策の方向性の違いが意識され始めたことや堅調な米国経済を背景に円安が進み、10月末に日銀が量的質的緩和第2弾に踏み切ったことで、円安が一気に加速しました。12月上旬には121円台と2007年7月ぶりの水準となりました。

【ポイント2】ユーロも円安へ

ルーブルは大幅下落
■ユーロは昨年年末の145円台から一挙に136円台まで円高が進みました。ウクライナを巡る地政学リスクの高まりとリスクオフの流れが背景でした。その後、ECBが金融緩和策を相次いで打ち出したことで緩やかなユーロ安円高が進みました。ただ、10月末の日銀の追加金融緩和を契機に再び大きくユーロ高円安となり、ECBは追加緩和を迫られています。

■新興国通貨は、年後半以降に原油価格の下落を背景として、原油輸入国のインドやインドネシア等の通貨が上昇しました。一方、原油輸出国のロシアルーブルは、一時的に年初来▲40%超の大幅下落となりました。

【今後の展開】ユーロ安、円安の持続

■2015年の為替市場を見るポイントとしては、ECBが本格的な量的緩和に踏み切るかが指摘できます。想定される緩和規模では物価目標の達成は難しいと指摘する市場関係者も多く、さらに踏み込んだ緩和策を期待する声が高まりそうです。

■日本も意欲的な物価目標を達成するためにもう一段の金融緩和に踏み切る可能性が指摘されています。米国の金利には緩やかな上昇圧力がかかる中、ユーロ安、円安が継続しそうです。